TikTokで制作過程を公開していた最新シングル「ライト・スイッチ」をリリース
およそ4年ぶりとなる来たるニューアルバム『CHARLIE(チャーリー)』からのファーストシングル「ライト・スイッチ(Light Switch)」をリリースしたチャーリー・プース。

自身の名義としてはおよそ1年半ぶりとなったファン待望の新曲「ライト・スイッチ」は、実際にライトのスイッチを入れる音を使ったプロダクションや、『ビリーズブートキャンプ』でお馴染みの“ビリー隊長”ことビリー・ブランクスが出演しているMVも注目を集めていたが、TikTokでその制作過程を全公開するというプロモーションも大きな話題に。
@charlieputh I’m freaking out wtf just happened….. �
♬ original sound - Charlie Puth
2021年9月に最初の動画をTikTokに投稿したのを皮切りに、チャーリーはおよそ4ヶ月にわたって「ライト・スイッチ」の制作過程を公開したのだが、この期間にフォロワーが約200万人増加するなど、多くのファンが楽曲の完成を見守った。
世界有数のソングライター/プロデューサーであるチャーリーが楽曲を制作する過程を見られるという、貴重な機会となったTikTokでのこの試み。チャーリーによれば、このアイディアは、ザ・キッド・ラロイとジャスティン・ビーバーによる2021年最大のヒット曲の1つ「ステイ(Stay)」を共作していた際に、ラロイから言われたことがインスピレーションになったという。

「(『ステイ』の)コーラスやフックを書いたところで、彼がスマホを取り出して、コーラスの部分を撮影し始めたんだ。それで僕が、『リークするつもりかい? 曲の内容をバラしてしまうつもり?』って言うと、彼はこう言った。『誰も気にしないよ! ファンが望むものをあげないと!』てね。その言葉はずっと僕の心に残ることになった。それから1年くらいの間、『「ステイ」はどこ?』っていう声が寄せられ続けることになったんだ。それで、自分もこういうことをやらないとって思ったんだよ」ー米ラジオ番組『1075 The River』にて
「ファンが望むものをあげないと!」というラロイの言葉がきっかけとなって、「ライト・スイッチ」の制作過程をファンに共有することにしたというチャーリー。彼は「ステイ」の他にも、ソングライター/プロデューサーとして他のアーティストたちから引っ張りだこな存在。これまでに参加してきた楽曲やそのエピソードからも、彼のソングライターとしての才能の高さが伝わってくる。
チャーリー・プースが参加した名曲5選
ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「ステイ」
まずは、その「ステイ」から。制作中のラロイの行動が自身のプロモーションのインスピレーションになったというチャーリーにとって、この楽曲は自身がこれまでに参加してきた楽曲の中でも最大のヒット曲の1つとなっていて、TikTokを中心にバズを生んだ「ステイ」は2021年、米BillboardのGlobal200チャートで通算11週にわたって首位を獲得するほどの世界的ヒットとなった。
ジャスティン・ビーバーの存在がチャーリーの励みに

チャーリーのシンガーとしての才能に初めて注目が集まったのは、2009年に立ち上げた自身のYouTubeチャンネルに続々とアップしていた、他のアーティストたちのカバー動画がきっかけ。カバー動画は米人気トーク番組『エレンの部屋』の司会者として知られるエレン・デジェネレスの目にも留まることとなり、エレンは2012年にチャーリーを自身のレーベルと契約。チャーリーはソングライターとしての活動からキャリアをスタートさせ、2015年2月に、メーガン・トレイナーをフィーチャーしたシンガーとしてのファーストシングル「マーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)」をリリースした。
そして、チャーリーがそもそもYouTubeにカバー動画をアップすることを決めたのは、ジャスティン・ビーバーの存在があったから。チャーリーは、YouTubeを通して発掘されたジャスティンのブレイクを見て、ジャスティンと同じ道を辿ることを決めたと2021年にインスタグラムで明かした。
ちなみに、チャーリーはジャスティンが2021年にリリースしたシングル「エニワン(Anyone)」にもピアノで参加するなど、今ではたびたび共作し合う仲となっている。
ウィズ・カリファ feat. チャーリー・プース「シー・ユー・アゲイン(See You Again)」
“チャーリー・プースここにあり!”をシーンに知らしめた、言わずと知れたチャーリーの代表曲「シー・ユー・アゲイン」だが、実は、チャーリーがこの楽曲を書いたのはシンガーとしてデビューするよりも前のこと。故ポール・ウォーカーの遺作となった、2015年公開の映画『ワイルド・スピード SKY MISSION』に提供したこの曲は、映画の大ヒットと比例するように世界的に大ヒット。YouTubeで公開されているミュージックビデオは、2022年2月現在で54億回以上再生されており、これはミュージックビデオとしては歴代5位の再生回数なのだが、今も日々その再生回数を増やし続けている。
実はチャーリー本人が歌えない可能性もあった
チャーリーが書き下ろし、今や自身の代表曲となった「シー・ユー・アゲイン」だが、当初は自分が歌唱を担当することができない可能性もあったと、チャーリーは2020年に英GQとのインタビューで明かしている。「『ワイルド・スピード』に僕は相応しくないという理由でね。つまり、僕がカッコよくなかったということさ。変わったミュージックビデオも作っていたからね」と、まだ正式なデビュー前ということもあってか、まさかの理由で歌わせてもらえない可能性があったという。

そんなことを言われてしまったチャーリーは、“自分が歌えないのであれば、楽曲は提供しない”と反論。その後、配給側も考え直して、最終的にはチャーリーが歌えることに。楽曲を失うのが惜しくて、当初は歌ってもらうことを渋っていたチャーリーに歌わせたというこの逸話は、チャーリーがいかに初期の頃からソングライターとして優れていたかを示す、象徴的なエピソードだと言える。
エイバ・マックス「ソー・アム・アイ(So Am I)」
チャーリーは、友人にしてレーベルメイトである、シンガーのエイバ・マックスのヒット曲もいくつか手がけており、エイバのデビューアルバム『HEAVEN & HELL(ヘヴン&ヘル)』に収録されている「ソー・アム・アイ」や「タトゥー(Tattoo)」を共作。とりわけ、「ソー・アム・アイ」は後にリリースされたK-POPの人気グループであるNCT127を迎えたリミックス版も話題になるなど、エイバの代表曲の1つとなった。
エイバは、「彼は本当に誠実だし、才能もあるし、最高な人。天才的なクリエイターなの」と米MTVのインタビューでチャーリーに賛辞を寄せている。
アレック・ベンジャミン「オールダー(Older)」
チャーリーは同じくレーベルメイトである、アレック・ベンジャミンが2021年9月にリリースした最新シングル「オールダー」にも力を貸している。アレックはチャーリーの音楽的な才能にすっかり惚れ込んでいる1人で、2018年にはチャーリーのアルバム『Voicenotes(ヴォイスノーツ)』について、ツイッターで「チャーリー・プースのアルバムにものすごく夢中になってる。すごいや。プロダクションもソングライティングも、非の打ち所がないよ」とベタ褒めしている。
エルトン・ジョン & チャーリー・プース 「アフター・オール(After All)」
実はご近所同士だという大御所エルトン・ジョンから直々に誘われて、エルトンが2021年10月にリリースしたアルバム『ロックダウン・セッションズ(The Lockdown Sessions)』の収録曲「アフター・オール」に参加したチャーリー。
家族みんなでチャーリーのファンだったというエルトンは、、「ずっとチャーリーと一緒に仕事をしてみたかったんだ。私は彼の大ファンだし、子供たちも彼の大ファンなんだ」と英テレビ番組『ロレイン』で明かして、チャーリーにこう賛辞を寄せた。「彼と曲を書いてみたかったから、私にとっては夢が叶ったようなものさ。ミュージシャンとして、彼がいかに素晴らしいか私は分かるからね」。
エルトンとの仕事が自分らしくなるきっかけに
2018年5月にアルバム『ヴォイスノーツ』をリリース後、2019年に「アイ・ウォーンド・マイセルフ(I Warned Myself)」や「マザー(Mother)」、「チーティング・オン・ユー(Cheating on You)」と単発でシングルをリリースしたチャーリーだったが、その後でアルバム制作に取り掛かるにあたり、スランプに陥ってしまったという。
そんななかで、エルトンとの出会いが大きな転機に。チャーリーによれば、エルトンはスランプに陥ってしまっていた自身を励ますように、「君はもっといい音楽を作れるはずだ、いつものように自分で作ればいいじゃないか」と、前向きな言葉をかけてくれたという。

©️Elton John/Instagram
一時は自分自身を見失ってしまっていたというチャーリーだったが、そんな彼を救ったのが、エルトンとの仕事だったと振り返る。「僕は自分自身に正直になれていなかったんだけど、(エルトンとの共作は)僕にとって完璧な機会となった。エルトンは僕にそういう視点を持ち込んでくれたんだ」とチャーリーは米PopCultureに語り、エルトンとの仕事が、もう一度自分らしくなるきっかけとなったと明かした。
他にも、数々の名曲を手がけているチャーリー
チャーリーは他にも、ソングライター/プロデューサーとして数々の名曲を生み出しており、これまでにケイティ・ペリーの「スモール・トーク(Small Talk)」やザラ・ラーソンの代表曲の1つである「ソー・グッド(So Good)」、リアム・ペインの「ベッドルーム・フロア(Bedroom Floor)」、ファイヴ・セカンズ・オブ・サマーの「イージアー(Easier)」などを共作している。
ニューアルバム『チャーリー』の収録曲を続々と“チラ見せ”中
エルトンから“自分らしくなる”きっかけをもらったチャーリーは現在、2022年内のリリースに向けてニューアルバム『チャーリー』を制作中。ザ・キッド・ラロイからのインスピレーションを受けて、楽曲を制作している模様をTikTokでプロモーションすることを決めたチャーリーは、そのままそのプロモーションを継続して、今も来たる『チャーリー』に収録されると見られる新曲の一部を続々と公開している。
チャーリーがTikTokでチラ見せしてきた未公開楽曲たち
チャーリーは、「自分はなんて負け犬なんだ(I'm such a loser)」というメッセージが送られてきたことをきっかけに、このフレーズをテーマにした楽曲を作ることに。送られてきたメッセージをそのまま歌詞にした楽曲を作り始めた。
@charlieputh I’m such a loser…
♬ original sound - Charlie Puth
ボーカルにエフェクトをかけるなどしながら、「I'm such a loser(仮題)」を引き続き制作していることを報告。
@charlieputh She’s gonna know it’s about her lol…
♬ original sound - Charlie Puth
「このアルバムが、自分史上で最高のものになる気がしてきた」というコメントと共に、チャーリーは次の楽曲作りに着手。
@charlieputh I’m starting to think this album is going to be my best yet….wow �
♬ original sound - Charlie Puth
チャーリーによれば、この曲は自身がかつて経験した失恋が基になっているという。この曲の制作も着々と進んでいく。
@charlieputh I was scared to post this.
♬ original sound - Charlie Puth
お次は、かなりテンポが早めの楽曲制作をスタート。チャーリーは「『Feeling yourself』は良いタイトルだね」と述べており、この楽曲のタイトルになると見られる。
@charlieputh Feeling yourself
♬ original sound - Charlie Puth
お次の曲は、「どんなことにも最初がある(There’s a first time for everything)」という歌詞が歌われる楽曲。
@charlieputh There’s a first time for everything �
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「There’s a first time for everything(仮題)」に、ファンから提案されたサウンドを入れ込むチャーリー。
@charlieputh A certain someone is going to make fun of me for this but I don’t care…
♬ original sound - Charlie Puth
続いても失恋をテーマにした楽曲。この曲のタイトルは、「I hope your jacket smells like me(君のジャケットから僕の香りがすることを願う)」というものになるそう。「これは僕がこれまで作ったなかで最悪のアイディアか、最高のアイディアのいずれかだな」 とチャーリーはコメントしている。
@charlieputh This is either the worst idea ever or the best thing I’ve ever made. Tell me to and I’ll finish it…
♬ original sound - Charlie Puth
お次は、一晩をある人と一緒に過ごした後で、首に跡がついていたことをテーマにした楽曲。チャーリーはその跡を見て、「これは曲にしなくちゃ!」と思ったそう。
@charlieputh A song about the marks on my neck
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次の新曲も恋愛をテーマにした1曲。コメント欄には、「I don’t think that I like her anymore(僕はもう彼女のことは好きじゃないと思う)」と書かれている。
@charlieputh I don’t think that I like her anymore…
♬ original sound - Charlie Puth
こちらは、「I don’t think that I like her anymore パート2」と題された動画。チャーリーはシャワー中に思いついたメロディなどを曲に追加していく。
@charlieputh I don’t think that I like her anymore part 2
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タイトルが明らかになっている楽曲は他にも。チャーリーは「Tears On My Piano」と題された楽曲も公開している。
@charlieputh This one is called Tears On My Piano. �= January 2022
♬ original sound - Charlie Puth
ニューアルバム『チャーリー』のリリース日についてはまだ明らかになっていないものの、チャーリーは今も新曲の一部をTikTokに投稿し続けているので、アルバムがリリースされるまで、その制作過程を一緒に見守ってみては?
<リリース情報>
Charlie Puth / チャーリー・プース
シングル 「Light Switch /ライト・スイッチ」
発売中
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Photo: ©️Gabriela Hansen, ゲッティイメージズ,Instagram
(フロントロウ編集部)