レオナルド・ディカプリオ主演で大ヒット!映画『タイタニック』
映画『タイタニック』は、『ターミネーター』シリーズや、『アバター』など数々の大ヒット作を生み出したジェームズ・キャメロン監督による不朽の名作。1997年に公開され、主演を務めたレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットのブレイクのきっかけとなった。
1912年に実際に起こった豪華客船“タイタニック号”の沈没事故をテーマにした本作は多くのファンの心をつかみ大ヒット。当時、映画史上最高の世界興行収入としてギネスブックにも掲載され、アカデミー賞では11部門を受賞し、映画史に残る素晴らしい結果を収めた。
そんな本作の元ネタとなったタイタニック号は、現在どのような姿になっている?
沈没したタイタニック号の現在の姿
“沈まない船”と呼ばれながらも沈没してしまったタイタニック号は、カナダの東海岸に位置する大西洋のニューファンドランド島の海底3,650メートルのところで今も眠っている。
タイタニック号は年々劣化しており、残り数十年で崩壊するという説を唱える研究者もいるほど。劣化を速めているのは、鋼鉄の塊を好んで食べるバクテリア。このバクテリアは「ハロモナス・ティタニカエ」といい、タイタニック号の研究が進む中、2010年に発見された。バクテリアたちは船体の鉄を食べ、錆のつららに変えている。
2021年にタイタニック号の調査に出た深海探査会社OceanGate社の遠征チームは、タイタニック号はさらに崩壊が進んでおり、特に劣化が進んでいるのは船首のほうだと報告。より壊れやすいマストは完全に甲板上に倒壊し、どんどん見分けがつかない状態になっていっているという。調査にあたったPH・ナルジュレ氏は、「一歩一歩、すべてが崩れていっています。来年にはきっと、何らかの変化が見られるでしょう」と語る。
OceanGate社のCEO兼創設者のストックトン・ラッシュ氏は、沈没しているタイタニック号について「赤やオレンジ、青や緑など、さびの色彩が本当に素晴らしい。浅瀬に沈んだ沈没船では通常見られないものです」とコメント。続けて、「タイタニック号のような色彩を持つことはあまりないのです」と、沈没したタイタニック号の知られざる一面を語った。
また、タイタニック号の周りには様々な深海生物がおり、サンゴはもちろん、奇妙なカニ、エビ、そしてグレナディアと呼ばれる膨らんだ目と信じられないほど長い尾を持つ巨大な深海魚が住み着いているそう。PH・ナルジュレ氏によると、「グレナディアはとても好奇心の強い生物で、潜水艦の近くまでやってきます」という。
ストックトン・ラッシュ氏は、タイタニック号は「深海のダイビングで最も訪問される沈没船のひとつ」であるにもかかわらず、研究者がまだ理解していない点がたくさんあると指摘。しかし、沈没したタイタニック号は非常に深海にあるため、技術的な問題でなかなか研究が進まないのだという。OceanGate社は、タイタニック号沈没の謎を解き明かすため、2022年にも再び調査にでることを自社のHPで発表している。
沈没当時1,513人が亡くなり、映画『タイタニック』でもその悲劇的な様子が描かれたタイタニック号。その犠牲を忘れないためにも、現在も様々な調査が行なわれている。