コンブチャのアルコール飲料が海外でトレンド
近年海外のZ世代やミレニアル世代の間で加速しているのが、お酒との付き合い方の多様化。あえてお酒を飲まない「ソバーキュリアス」や、健康に気を使いながら適度にお酒を楽しむなど、これまでとは違ったお酒との接し方を選ぶ人が増えている。
そんななか海外で急激に人気が高まっているのが、カリフォルニア発の「ハードコンブチャ」という新ジャンルのお酒。ハードコンブチャとは、緑茶や紅茶に砂糖や菌類を入れて発酵させるヘルシーなドリンク「コンブチャ」をアルコール飲料にしたもののことで、アルコールの度数は4~7%ほど。
じつは元々コンブチャには発酵の過程で生み出される微量のアルコールが含まれているため、ハードコンブチャはこの働きを利用して何度も発酵を繰り返して製造されている。
そんなハードコンブチャの人気はとくにアメリカで高く、コンブチャに関する調査を行なうKombuchaBrewers Internationalのレポートによると、2020年には米国内での市場規模が前年比177.5%にまで拡大し、2021年には自然派スーパーマーケットの大手であるホール・フーズ(Whole Foods Market)の食のトレンド予測にもランクイン。ハードコンブチャを専門に販売するブランドが続々と誕生し、今後このトレンドは世界中に広がると予想されている。
人気の秘密はヘルシーさ
アメリカを中心にトレンド入りしているハードコンブチャの人気の秘密は、なんといってもヘルシーであること。
ハードコンブチャのヘルシーさについて管理栄養士のトレイシー・ベッカーマンは、「ハードコンブチャはコンブチャと同様、体に必要な栄養が豊富な天然成分を醸造してつくられるため、ビタミンやミネラル、抗酸化物質などが多く含まれています」と米Healthで説明。さらに乳酸や酢酸、グルクロン酸、酪酸といった酸類も豊富なため、消化機能のサポートなどさまざまなメリットが期待できるという。
またハードコンブチャは、ビールなどと違ってグルテンを含まないことや、オーガニックの原料でつくられているものが多いのも人気を集める理由のひとつ。ブランドによっては発酵の過程で砂糖を使わずにハチミツやサトウキビを使用するなど、よりヘルシーにお酒を楽しむための工夫がされているものも増えている。
お酒っぽくない豊富なフレーバーとオシャレなパッケージも魅力
ハードコンブチャは、お酒っぽくないジュースのような味で取り入れやすく、フレーバーが豊富なことも支持されているポイント。レモンメープルやアップルジャスミン、グアバミント、ブラッドオレンジなど、お酒独特の風味が苦手な人でも楽しみやすいフレーバーのものが多く販売されている。
さらにパッケージデザインもオシャレなものが多いため、外出せずにホームパーティを楽しむことが増えたことによっても売り上げが増加しているそう。
お酒にもヘルシーを求める新しいニーズに、ピッタリとはまって人気を集めているハードコンブチャ。今のところ日本で買うことは難しいけれど、コンブチャは日本でも売られるようになってきたので、お酒が手に入る日もそう遠くないかも。(フロントロウ編集部)