ロシアによるウクライナ侵攻を記録するドキュメンタリーの撮影のためにウクライナに滞在していた俳優のショーン・ペンが、現地で目にした光景やその経験を通じて感じたことを語った。(フロントロウ編集部)

ショーン・ペンがウクライナ侵攻について語る

 ロシアによるウクライナ侵攻を記録するドキュメンタリーの撮影のため、つい最近まで現地に滞在していた俳優のショーン・ペンが、米CNNの『Anderson Cooper 360(原題)』に出演。先週、ショーンが乗っていた車を道ばたに乗り捨てて徒歩でポーランドの国境へと向かったという話をフロントロウでお伝えしたが、ショーンはそのときのことについてこう振り返った。

 「路上にレンタカーを乗り捨てることが許される環境にありました。(国境へと向かう車の列を見ると)そのほとんどが女性や子供で、グループもいれば母子2人だけの車もありました。これには驚かされました。18歳から60歳の男性は国に留まってロシア軍との戦いに参加することが義務付けられていて、出国が制限されているので、父親が妻子の見送りをする光景も目にしました。みんな荷物はあまり持っていないようでした。すぐに帰って来られると信じようとしていたのかもしれません。出国する人が非常に多く、出国するのにかなり時間がかかりました。向こう側(=国境を越えた先)に助けてくれる家族や友人がいる人は別として、車は避難する人たちにとって唯一の持ち物だったと思います。その瞬間というよりも、あの国境を通過するのがどんなことか、何日もそこに座っているのがどんなことか、それを体験できてよかったです」

 続けて、現在もウクライナに残って指揮するウォロディミル・ゼレンスキー大統領について、「ゼレンスキー大統領とは侵攻の前日だけでなく、侵攻の当日にも会談しました。彼がこのために生まれてきたと自覚していたかどうかはわかりませんが、少なくとも私は勇気と尊厳と愛という点で、現代社会における新しい風のような、何かそういったものを感じました」と語ると、「この戦争を望まず、(戦争が問題を解決すると)信じていない偉大なロシア人たちがいます。発言したり抗議したりすることに大きな脅威を感じているにもかかわらず、それを実行している人たちがいます。ウクライナの人たちとロシアの人たちは、とても親密なんです。この戦いは権力者の搾取としてしか意味をなしません」とロシア政府によるウクライナ侵攻を強く非難した。

画像: ショーン・ペンがウクライナ侵攻について語る

 ちなみに、ショーンは自身が立ち上げたNPO団体「Community Organized Relief Effort(CORE)」を通じてウクライナからの難民に衛生キットを配布したり、現金や水を提供したりして支援を行なっているそうで、人々にも協力を呼びかけている。(フロントロウ編集部)

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