自身が主催したフェスティバル「アストロワールド」で10人が亡くなる悲劇が発生したトラヴィス・スコットが、安全なイベントの実現を支援するためのプロジェクト「Project HEAL」を立ち上げたことを発表した。(フロントロウ編集部)

トラヴィス・スコットが「Project HEAL」の立ち上げを発表

 2021年に主催したフェスティバル「アストロワールド」で、自身のパフォーマンス中に観客がステージ前に殺到する事態となり、10人が亡くなる悲劇に見舞われたラッパーのトラヴィス・スコットが、安全なイベントを実現するために新たに「Project HEAL」を立ち上げたことを発表した。

画像: トラヴィス・スコットが「Project HEAL」の立ち上げを発表

  アストロワールドについてはフェスティバルの当日に300人以上の怪我人が出て、8人が亡くなったことが報じられていたが、病院に搬送されて治療を受けていた2人が亡くなり、犠牲者は10人となった。犠牲になったのは9歳〜27歳までの10人となっている。その後、犠牲になった10人の検視結果が明らかになり、10人全員が圧迫による窒息で亡くなったと結論づけられた。

 「この数ヶ月間、弔うための時間や空間を取り、自分のコミュニティを癒すために自分に何ができるか考え、実行してきました」と、今回トラヴィスはインスタグラムに発表した声明で述べている。「最も重要なこととして、私は自分の持っているリソースやプラットフォームを実用的な変化のために使っていきたいと考えています。これは私や私の家族にとって生涯にわたって取り組んでいくものになるでしょう」。

 「Project HEAL」を立ち上げた経緯については次のように説明している。「企業や機関が表に出ないようにすることは簡単ですが、私はコミュニティにおけるリーダーとして、必要とされている時に一歩踏み出さなければならないと感じています。私は、すべてのイベントを可能な限り安全なものにするために必要な解決策を提供していくために、チームと共に『Project HEAL』を立ち上げました」。

 「Project HEAL」はいくつかのプロジェクトに分類されており、安全なイベントの実現はそのうちの1つとなっている。このプロジェクトでは他に、トラヴィスの慈善財団であるカクタス・ジャック財団と協力した奨学金の提供や、クリエイティブなデザイナーを育てるためのセンターの設立、無料のメンタルヘルス・ケアの提供を行なっていくと発表されている。

 「私はこれからもアストロワールドで起きた悲劇の犠牲者たちを称え続け、彼らのことを心の中に永遠に留め続けます」と続けて綴ったトラヴィスは、この投稿を次のように締め括った。「若者たちのために還元したり機会を創出したりすることは私がこれまでずっと取り組んできたことですが、機会がある限り、今後もそうした活動を続けていくつもりです」。(フロントロウ編集部)

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