イギリスのコストコの駐車場で、マーティン・ロバーツが泣きながら動画を撮った理由とは?(フロントロウ編集部)

マーティン・ロバーツが涙の訴え

 イギリスで2003年から約20年にわたって続くリノベーション・オークション番組『Homes Under the Hammer(原題)』の司会者であるマーティン・ロバーツが、コストコの駐車場で涙を流す出来事があった。

 彼はこの日、おむつや靴下といった生活に必要な商品をカートに入れて購入。それは、自分の家族のためではなく、ロシアに侵攻されるウクライナの人々のため。

 SNSに公開した動画のなかで、「みんなと同じように、ウクライナで起こっていることについて何ができるのかと、本当に途方にくれています」と話すマーティンは、途方に暮れながらも、寄付するために物資を購入するという行動に出たよう。

 とくに、子供たちのことを心配しているというマーティンは、購入した商品について、「子供用の物資です。なぜなら、子供だから。子供はすべて」と話す。しかし、彼は鎮静剤も多く購入したかったそうだが、1人2個までというルールのためにあまり手に入れることができず、泣いて取り乱した。

 1人2個までというのはコストコの独自ルールというわけではなく、イギリスにおいて法で決められていること。しかしそんな状況を変えたいとして、マーティンは、「寄付を入れられる集荷ボックスを設置してほしい」とコストコに訴えかけた。マーティンの行動や訴えには多くの人が賛同している。

世界中に故郷を追われた人は約1億人いる

 ロシアのウクライナ侵攻によって、ウクライナを追われた避難民がすでに200万人を超えた。その数はさらに増えると予測されている。そして世界には、故郷を追われた避難民や難民はさらに多く存在し、そのなかには子供が多く含まれる。

 国連UNHCR協会(国連難民高等弁務官事務所)によると、2020年末時点で迫害、紛争、暴力、人権侵害などにより故郷を追われた人の数は約8240万人で、そのうち、難民の数は約2640万人。

 故郷を強制的に追われた避難民人口のうち、子供は42%を占める。さらに、「難民として生まれた子供」の数は、2018年から2020年で約100万人にのぼる。

 マーティンが「子供はすべて」と話すように、子供に罪はまったくない。ロシアのウクライナ侵攻やウクライナ避難民はすぐに問題となり、世界中が目を向け、国レベルでも、企業レベルでも、個々人のレベルでも、支援活動が活発となった。

 しかし、世界中には長年多くの避難民が存在していた。これまでシリアやアフリカからの難民の受け入れを固く拒んできた同じ国々が、ウクライナ難民の支援や受け入れは早急かつ広く行なっていることからも、難民対応においても人種差別があり、世界が白人以外の避難民・難民について目を向けてこなかったことが浮き彫りになっている。

 ウクライナ避難民を含む世界中の避難民のために、何ができるのかを考え、行動したい。

(フロントロウ編集部)

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