ダニエル・クレイグが涙
ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じた最後の作品『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』が2022年の英国アカデミー賞(BAFTAs)で作品賞を含む5部門にノミネートされ、最優秀編集賞を受賞した。
本作で映像編集を担当したのはトム・クロスとエリオット・グラハムで、受賞後にはそろって“BAFTAsの仮面”を手に持ち笑顔を見せた。そしてエリオットは、受賞者のプレスカンファレンスで、彼の心に残る舞台裏での出来事を明かした。
「話すべきでないことを話してしまいますが、ダニエルは映画のラフカットを1人で見たんです。その後、我々はプロデューサーたちの後に呼ばれました。そして彼は泣いていた。(シリーズは)彼の人生の18年以上のものでしたからね。彼にとってそれだけ意味のあるものだったんです」
スクリーンの外でのダニエルは、ジョークを言うことも好きな一方で、「(英国王室の)エリザベス女王から『あら、なんてこと。彼(ダニエル)は笑わない人ね』とイジられました。まさにおっしゃるとおりでしたけど(笑)」という逸話を明かしているほど、クールな態度をキープすることもある。
そんなダニエルが、最終作をまずは1人で見ることを選び、そしてその後涙を流したことからは、『007』シリーズが彼にとってどれだけ大きなものなのかを感じることができる。
ダニエルは、本作が公開される前の2020年に、本作を見た感想として「最初の数分はいつも耐えられない。『なんであんな風に立っているんだ?』『僕は何をやっているんだ?』という感じになってしまうんです」と話していたが、全編を見終わった後には泣いていたよう。
ダニエルは、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の撮影最終日の最後にも、スタッフに向けて感謝の気持ちを述べるなかで声を詰まらせる場面があった。ジェームズ・ボンドとしての15年の旅路を振り返り、彼はこんな思いを語っていた。
「ここにいる多くの人たちは、私と一緒に5つの映画を手がけました。私がこれらの映画についてどう思っているのか、いろいろと言われているのは知っています。しかし、私はこれらの映画の1秒1秒を愛してきました。特に今回の映画は、毎朝起きて、みんなと一緒に仕事をする機会があったからです。そしてそれは、私の人生の中でも最高の栄誉のひとつとなりました」
(フロントロウ編集部)