『ザ・シンプソンズ』にろう者のキャラクターが登場
アメリカの風刺アニメーション『ザ・シンプソンズ』の最新話でろう者のキャラクターが登場し、声優もろう者であるジョン・オートリー2世が務めた。『The Sound of Bleeding Gums(原題)』というタイトルのエピソードでのことで、アメリカ手話が使われるシーンも多数描かれた。本作は1989年から続くアメリカ最長のアニメシリーズだが、ろう者の声優が起用されたことや、手話が描かれたのは初。
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— The Simpsons (@TheSimpsons) April 11, 2022
このエピソードは、シンプソン一家の娘リサが、大ファンであるサックス奏者の息子であり耳が聞こえないモンクと知り合い、彼が人工内耳を得られるように手伝うという物語。
脚本を手掛けたのは2020年に『ザ・シンプソンズ』の制作チームに加わったロニ・スティール・ソスタンドで、エピソードは彼女の家族に基づいている部分がある。米Varietyのインタビューで彼女は、「私たちは郊外で育ち、ジャズは父にとって私たち(黒人)の文化的要素を取り入れる方法でした。しかし私は音楽について考える時、ろう者として生まれた兄弟についても考えるんです」と話す。
彼女の兄弟であるエリや、ろう者のコメディアンであるキャシー・バックリーなども、本エピソードに声優として参加している。最近では、ろう者の家庭を描く映画『コーダ あいのうた』がアカデミー賞で3部門にノミネートされ、そのすべてで受賞を果たした。本エピソードの制作は『コーダ』が公開される前から進められてきたそうだが、ロニは「素晴らしいことです。ろう者の経験はただ1つの物語で終わるものではありません。描かれるべき物語は多くあります」と語った。
It takes a damn fine woman to sing so well about a Bad Business Man.
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また、声優を務めたジョンは、「信じられません。人生を変えるような平等性と参加です。これは僕たちすべて(のろう者)のための変化に影響を与えることができます。これはろう者と聞こえるキャラクターが一緒に過ごすことについてです。歴史の一部ですよ」と感激のコメントを残している。
『ザ・シンプソンズ』はレプリゼンテーションを意識した作品であり、2021年の乳がん月間(ピンクリボン月間)には、乳がんのサバイバーであるヒプノセラピストのウェンディー・セージ医師が登場。片方の胸がなく、化学療法の影響で髪の毛がくせ毛で、(医療機器の)ポートデバイスの傷もあるが、エピソード自体は小学生のリサが体型に悩むという社会問題をメインテーマにしており、そのストーリー展開も高く評価された。
(フロントロウ編集部)