『バットボーイズ』のマイケル・ベイ監督が、ウィル・スミスについて思いを語った。(フロントロウ編集部)

マイケル・ベイ、アカデミー賞事件について意見

 アメリカで2022年3月27日に開催された第94回アカデミー賞で、俳優のウィル・スミスが妻で俳優のジェイダ・ピンケット・スミスの坊主頭をジョークにしたコメディアンのクリス・ロックをビンタし、さらに放送禁止用語を使ってクリスを批判した出来事

 その後ウィルは正式に謝罪し、クリスもウィルに対して被害届は出さないことを選んだ。アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは、ウィルに対してこの先10年間、同団体主催のイベントへの出入りを禁止することを決定した。

 一連の出来事を通して、社会では、暴力はいけないという認識共有や、人の外見をジョークにすることについての議論、黒人女性であるジェイダが悩んできた脱毛症への関心、女性であるジェイダ本人でなく男性のウィルが行動を起こしたことに対する問題意識などが生まれた。

 著名人の間でも様々な意見があがっているが、映画『バッドボーイズ』でウィルと一緒に仕事をしているマイケル・ベイ監督が、ウィルの行動について米EWのインタビューで意見を述べた。

画像: 『バッドボーイズ2バッド』の撮影現場で。左からウィル・スミス、マイケル・ベイ監督、マーティン・ローレンス。

『バッドボーイズ2バッド』の撮影現場で。左からウィル・スミス、マイケル・ベイ監督、マーティン・ローレンス。

 「最初は、本当にあれは起こったのか?という感じでした。しかしその直後に、ウィルの叫び声を聞いた。あれは本物のウィルの叫び声だった。ウィルは素晴らしいファイターで、彼はボクシングも学んだことがある。まず初めに、あれは間違った行為です。何があったとしても。それは明確にしておきましょう。しかし、人々が『わぁ。ウィルは彼を殺すこともできた』と言うのには、ノー。1発のビンタは違うでしょう。パンチなら?イエス。誰かを殺すことができる。しかしウィルは彼(クリス)に1発のビンタをした」

 ※平手打ちでも状況によっては倒れて頭を打ち、死亡する可能性はある。また、打ちどころが悪ければ、鼓膜が破けたり口の内側が切れたりする危険性もある。

マイケル・ベイ、ウィル・スミスとまた一緒に働きたい

 暴力は許されないとしながらも、ウィルの行動に対する批判にも反論した監督。これまでに『トランスフォーマー』シリーズや『アルマゲドン』などを撮ってきたベイ監督がウィルを主演に起用した『バッドボーイズ』は、彼の初監督作品であり、ウィルにとっても俳優としてのキャリアの初期の作品。その後、ともにハリウッドの最前線で活動し続けたウィルと、ふたたび一緒に仕事をしたいかと聞かれた監督は、こう答えた。

 「当然です。100%。彼は非常に落ち着いた人物なんです。非常に安定している」

 監督はさらに、ウィルの行動が非常に大きな話題となっていることについて苦言を呈した。現在、ウクライナでロシアの軍事侵攻が行なわれ、市民を含む多くの死者が出ている。乳幼児も命を落としており、その事実に触れた監督は、「私が思うのは、それ(ウィルとクリスの出来事について話すこと)はもう充分だということです。ドラマのようなことが起こりましたが、優先すべきことを明確にすべきだと思います」と話した。

 ウィルの行動は許されるものではないが、ウィルを業界から追い出すようなことは願っていない著名人は多く、アカデミー賞でもデンゼル・ワシントンやニコール・キッドマンといった俳優たちがウィルを落ち着かせる姿が目撃された。また、ウーピー・ゴールドバーグは自身が司会を務めるトーク番組『The View(原題)』のなかで、クリスは被害者だとしながらも、「ウィルには戻ってくる方法はあるかって?イエス。もちろん。彼は大丈夫。彼は戻ってくる。心配いらない」とコメントしている。

(フロントロウ編集部)

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