ジョニー・デップが幼少期に虐待を受けていたことが明らかに
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどの出演作で知られる俳優のジョニー・デップが、元妻で同じく俳優のアンバー・ハードを名誉毀損で訴えた裁判で、ジョニーの姉クリスティ・デンブロウスキーが証人として出廷し、幼少期に自分とジョニーが母ベティから虐待を受けていたことを明かした。
フロントロウで何度かお伝えしたが、2018年に米Washington Postに掲載されたアンバーの論説が名誉毀損にあたるとして、ジョニーは約55億円(5,000万ドル)の損害賠償金を求めてアンバーを提訴。この論説でアンバーはジョニーの名前こそ出さなかったものの、自身がドメスティック・バイオレンス/家庭内暴力(以下DV)のサバイバーであると主張すると同時に、「2年前に告発したDV(※)」の詳細を明らかにした。
※時期からして加害者はジョニーであることが推測される。
しかし、ジョニーは自身のDV疑惑を一貫して否定していることから、彼がDVの加害者か否かが今回の裁判の争点のひとつとなっており、そんなジョニーが“暴力を振るうような人物ではない”と証明するために呼んだのが彼の姉クリスティだった。
「(母親が父親を罵倒しているのを見て)私たちは逃げたり、隠れたりしました。母は私たちに手を上げることもありました。物を投げたりもしました」。現地時間4月12日、法廷でこう証言したクリスティは、ジョニーが母親を殴り返したことはあるかという問いに対し、「彼がそのような行為をしたことはありません」と断言。続けて、「非常に幼い頃から、我が家では良くないことが起きていました。そして大人になったとき、私とジョニーは、家を出ていつか自分の家庭を持ったら、自分たちが子供時代に経験したようなことは二度と繰り返さないと、お互いに誓いました。(母とは)違うことをしようと決めたんです」と語った。
対して、アンバーの弁護士であるベン・ロッテンボーン氏は冒頭陳述で、「身体的、感情的、言語的、心理的、性的」など、ジョニーからアンバーが多くの形態のDVを受けたことを示す証拠があると述べている。
ちなみに、ジョニーは2020年、自身のことをアンバーに対して暴力を振るった「Wife Beater(妻を虐待する者)」と呼んだイギリスの大衆紙The Sunの発行元を名誉毀損で訴えた裁判で敗訴。そのことが原因で、映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズのグリンデルバルド役を降板した。(フロントロウ編集部)