『ウォーキング・デッド』でマギーを演じるローレン・コーハンが最終章のパート2の最終話でニーガンに対して言わなければいけなかった「あのセリフ」について思いを明かした。(フロントロウ編集部)

 ※この記事には、ドラマ『ウォーキング・デッド』シーズン11第16話のネタバレが含まれます。

『TWD』マギーの言葉、その理由

 2010年から続く大ヒットドラマ『ウォーキング・デッド』が、その終わりに向けて物語を加速させている。3部構成となった最終シーズン11はパート2までの放送が終わり、8話からなる最後のパート3は今秋に全米で放送予定。そして、パート2の最終話ではファンを凍りつかせるシーンがあった。

 それが起こったのは物語のクライマックスではなく、前半でのこと。それはローレン・コーハンが演じるマギーの発言で、なんと彼女は、ニーガンのことを「信用し始めてる」と言ったのだ! マギーの夫で、ハーシェルの父親であるグレンを、頭の形がなくなるほどに殴り殺したあのニーガンに。

 『ウォーキング・デッド』の世界はウォーカーがはびこる世界であり、生き残るためには何かを犠牲にしなければならない時も多いとはいえ、ニーガンはシーズン11の第1話でもマギーに対して「グレンのように」殺されはしないと発言し、さらには目の前でウォーカーの大群に捕まったマギーを助けなかった。ここ数年でニーガンが改心してきたのは事実で、とくに子供たち世代には良い保護者となっていたが、マギーにまでニーガンを認めるようなことを強いたくはないというのは、ほとんどの視聴者が感じていたことだろう。

 そして、あの発言に嫌悪感を抱いたのは、演じたローレンも同じだったよう。米EWのインタビューで、こんな思いを語っている。

 「吐きそうでした。あれは、私が去らなければいけない時に出たものです。私は誰にも一緒に来てほしくなかった。そして私は、ハーシェルを置いていける唯一の場所はあの人たちの元だと分かっていた。私が“あの人たち”と言ったのは、マギーはニーガンが若い世代に対しては良い保護者であることを知っているし、彼が変わったのも知っていると思うからです。彼女がどう感じているかは変わっていません」

ローレン・コーハンも言いたくなかった

 マギーが劇中で「今後何があっても、今まで何があろうと、それは忘れない」とも言ったように、マギー個人がニーガンを許さずに憎む気持ちを抱えて続けることは、彼女が死ぬまで変わらないだろう。さらに、ニーガンが今ではアニーと結婚し、アニーはニーガンとの子供を妊娠中であることは大きな変化。

 ヒルトップのリーダーとしてやってきたマギーは、ハーシェルを預けるのはニーガンたちが最適だと判断した。しかしローレンは、「でも、もちろん私はあれ(を言うこと)が本気で嫌でした」とし、マギーがあの発言に至ったのには様々な理由があると分析しながらも、「私はこれらの理由を正当化していると感じます。でも事実でもあるでしょう」と、一言では片づけられない複雑な思いを明かした。

 「あれを言うこと自体は嫌じゃなかったけど、あれをニーガンのために言うのは本気で嫌だった。だって、彼はマギーの目に映るように全力で償いをしてる」というローレンの思いも理解できる。ウォーカーがはびこり、文明が消えた世界では、人間はどのように生きていくのか。

 ちなみに、ニーガンを演じるジェフリー・ディーン・モーガンは、第1話の撮影で「グレンのように」は死なないと言いたくないがために、制作陣にセリフの変更をお願いしたほどだった。ローレンもジェフリーも、そんな思いを抱えながら見事に役を演じ切っており、俳優としてのプライドを才能を感じざるをえない。

(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.