ランジェリーブランド、ヴィクトリアズ・シークレットの姉妹ブランドであるPINK(ピンク)の新キャンペーンの広告塔に俳優のダレン・バーネットが就任した。(フロントロウ編集部))

姉妹ブランドがジェンダーフリー商品を本格展開へ

 世界各国で1400店舗を運営するランジェリーブランド、ヴィクトリアズ・シークレット(Victoria’s Secret)が、おもに10代~20代の若い世代をターゲットに展開している姉妹ブランドのPINK(ピンク)。

 本家よりもリーズナブルな価格帯でポップでスポーティーなデザインが多く、ランジェリーだけでなくスウェットや水着、ジムウェアや小物などもラインナップする同ブランドが、この春、性別の枠にとらわれず自由に取り入れられるジェンダーフリーなアイテムの取り扱いを本格的に拡大した。

ダレン・バーネットがヴィクシー初の男性モデルに

 その広告塔にヴィクトリアズ・シークレット史上初の男性モデルとして、俳優のダレン・バーネットが起用。

 現在31歳のダレンは、Netflixでシーズン3までが配信されている大ヒットコメディドラマ『私の”初めて”日記』で一躍ブレイクした注目俳優。

 映画『オーシャンズ8』などへの出演で知られる俳優兼脚本家のミンディ・カリングが制作に参加する同作で、秀才だけど恋愛偏差値は低めのオタク系女子の主人公が恋する学園の人気者パクストン・ホール・ヨシダを好演している。

画像: ダレン・バーネットがヴィクシー初の男性モデルに

 役名に含まれる「ヨシダ」は、日本とスウェーデンの血を引く母を持つダレンにちなんでつけられたもの。日本語を話せるダレンが、撮影現場で日本人ADとたまたま日本語で会話を交わしているところを目撃したミンディが、それなら、と急遽採用し、ドラマ内でもダレン演じるパクストンが日本語を話すシーンが登場する。

 日本とスウェーデン以外にも、チェロキーインディアンやドイツにもルーツを持つダレンは、学生時代、さまざまな人種をバックグラウンドに持つ自身のアイデンティティに悩んだこともあったそう。そんな経験を活かし、PINKが今後展開していくインクルーシビティやメンタルヘルス・ケア、若者のエンパワーメントといった活動に参加するという。


ブランド再構築の一翼を担う

 ミランダ・カーやキャンディス・スワンポール、アレッサンドラ・アンブロジオ、アドリアナ・リマといった人気モデルを広告塔に起用し、毎年盛大なファッションショーを開催するなどして一時代を築いたヴィクトリアズ・シークレット。

 しかし、近年、同ブランドが推す「セクシー=美」という理想の女性像と、多様性を求めるようになった世間の流れとの間にズレが生じたほか、同社の重役でマーケティング担当のエド・ラゼックによる「トランスセクシュアルのモデルを起用すべきではない。ショーはあくまでも“ファンタジー”だから」といった発言が炎上するなど、変革を求める声が多く上がった。

画像: ブランド再構築の一翼を担う

 売り上げが低迷を続けるなか、The VS Collectiveと呼ばれる再構築プロジェクトを発足したヴィクトリアズ・シークレットは、スリムなモデルばかりを集めた広告塔チーム“ヴィクトリアズ・エンジェル”を廃止して、さまざまな体型のモデルやトランスジェンダーモデルを起用。さらに、以前は無かった授乳ブラを展開したり、さまざまな年代にアピールするため母娘キャンぺーンを打ち出したりと、よりインクルーシブなブランドへと生まれ変わろうとしている。

 徐々に規模が拡大しているジェンダーフリー・コレクションも、より多様性をもったブランドへと進化するためのアプローチの1つ。

 PINKのエイミー・ホークCEOは、ダレンの抜擢について「10代や若い人たちにとってポジティブなロールモデルであるダレンとパートナーシップを結ぶことにワクワクしています。ジェンダーフリーな商品展開を拡大し、ブランドとして成長するうえで、私たちのパートナーには、顧客の多様性を体現し、個性や自信を具現化する人物が相応しいと考えています」とコメントしている。

 これを受け、ダレンも、PINKが企画しているポジティブなアクションに参加できることを嬉しく思うとしながら、「自分が10代の頃にもメンタルヘルスに関してもっとフォーカスできれば良かったと思います。誰かに話を聞いて欲しい、サポートして欲しいと思っている若者たちの力になりたいです」とキャンペーンへに抜擢されたことが誇らしいと述べている。

 PINKはダレンのほかにも、姉妹デュオのクロイ&ハリーやボディ・ポジティブ・アイコンとして知られるレミ・ベイダーを別のキャンペーンに起用したばかり。ヴィクトリアズ・シークレットも、2月の黒人歴史月間に合わせ、黒人トランスジェンダーでTikTokスターのエミラ・ディスペインを抜擢して話題となった。(フロントロウ編集部)

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