人気が低迷するヴィクトリアズ・シークレット
数年前まではランジェリー業界のトップを走り、毎年世界中が注目するランジェリーのファッションショーを開催していたヴィクトリアズ・シークレット(Victoria's Secret)。ミランダ・カーをはじめ、ジゼル・ブンチェン、ハイディ・クルム、アレッサンドラ・アンブロジオ、アドリアナ・リマなどモデルを広告塔として起用し、人気モデルになるための登竜門とまで言われてきた。
しかし、ここ数年ヴィクトリアズ・シークレットが推す“理想の女性像”と、多様性を求めるようになった世間の流れとの間にズレが生じ、同ブランドのマーケティング担当を務め、毎年ファッションショーのキャスティングで大きな役割を担ったエド・ラゼックが打ち出してきた「セクシー=美」というイメージや、彼の「トランスセクシュアルのモデルを起用すべきではない。ショーはあくまでも“ファンタジー”だから」といった発言が、時代に合っていないと批判を浴びるなど、ヴィクトリアズ・シークレットに生まれ変わりを求める声が多く上がっていた。
そのため、ヴィクトリアズ・シークレットの時代は終わりブランドの売り上げは低迷。改革に向けてプラスサイズモデルや様々な人種のモデルを起用するなどして、これまでのイメージと違うキャンペーンを打ち出すなか、今回ヴィクトリアズ・シークレットは新たなパートナーシップのプラットフォーム「The VS Collective」を発表。
The VS Collectiveとは?
「The VS Collective」はヴィクトリアズ・シークレットの未来を形作るために始動したもの。ユニークな経歴、興味、情熱を持ったパートナーたちが、革新的な製品コレクション、魅力的で刺激的なコンテンツ、新しい社内アソシエイトプログラム、女性に不可欠な活動への支援を実現するために、協力していくという。
そんな「The VS Collective」でヴィクトリアズ・シークレットとパートナーを組むのは、サッカー選手であり、ジェンダー平等を訴えるミーガン・ラピノー、中国系アメリカ人でフリースタイルスキー選手のアイリーン・グー、プラスサイズモデルでボディポジティブの立役者パロマ・エルセッサー、難民キャンプ出身のモデルであるアドゥ・アケチ、女性の写真家をサポートするプロジェクトを立ち上げた俳優兼カメラマンのアマンダ・デ・カディネット、トランスジェンダーモデルのヴァレンティナ・サンパイオ、そして教育の重要性などの社会問題などについての本を執筆する俳優のプリヤンカー・チョープラーの計7人の女性。
この7人の女性と共にヴィクトリアズ・シークレットはこれまでと違う新たなステージに向かい、ブランドを再構築していく。
(フロントロウ編集部)