スティーブン・スピルバーグは、30代後半まで子供を持つイメージが出来なかったそう。彼に新たなイメージを与えた経験とは?(フロントロウ編集部)

子役が多かった『E.T.』の撮影現場

 映画『ジョーズ』や『インディ・ジョーンズ』、『ジュラシック・パーク』といった数々の大ヒット映画を手掛け、ハリウッドきってのヒットメーカーとして知られるスティーブン・スピルバーグ監督は、今年で76歳。今では孫もおり、おじいちゃんの顔を目撃されることもあるスピルバーグ監督だが、彼は長らく子供を持ちたくはなかったという。

 そんな彼は、36歳の時に公開となった1982年の映画『E.T.』の撮影を経験したことで、自分が父親になるイメージが持てたと米Varietyで明かした。『E.T.』といえば、ヘンリー・トーマスが演じるエリオットと、地球に取り残されたE.T.の友情の物語。エリオットには、ロバート・マクノートン演じる兄のマイケルと、ドリュー・バリモア演じる妹のガーティがおり、さらに彼の友達も多く登場した。その子供たちとの交流が、スティーブンの心に変化を起こしたという。

 「(それまでは)子供を持ちたくなかったです。私は映画から映画、脚本から脚本とやっていて、(子供を持つことの)価値が見いだせなかった…。『E.T.』の中盤まで、その考えはなかったですが、あの映画では私が親だったのです。ヘンリーとマイク、キャスト全員に対して非常に保護者的感覚になっていました。そしてとくに、まだたったの6歳だったドリュー。そして、“そうだな、これはいつか私の実際の人生にもなり得るかもしれない”と思い始めたんです。もしかしたら父親になれるかもしれないという考えが浮かんだのは、あれが初めてでした。さらに、監督が父親や母親になれるという考えも」

画像: スピルバーグ監督と幼き頃のドリュー・バリモア。『E.T.』の撮影現場で。

スピルバーグ監督と幼き頃のドリュー・バリモア。『E.T.』の撮影現場で。

 ヒットメーカーとして、1970年代からほぼ毎年新作を公開してきたという、非常に体力があるキャリアを持つ監督。その忙しい日々のなかで、とくに監督として、子を持つという想像ができなかったという。男性であれば職業に関係なく、自分は育児に関わらず、妻にすべてを押しつける人がいるのも事実だが、監督にはそういった考えはなかったということだろうか。

 そんな監督は、1976年に映画『未知との遭遇』のオーディションで出会ったエイミー・アーヴィングと知り合い、一度は数年間の別れを経験しながらも1985年に結婚し、同年に第1子が誕生している。2人は1989年に離婚し、彼は1991年にケイト・キャプショーと再婚。彼とケイトはそれぞれに連れ子がおり、ケイトには彼との再婚の前に迎えた養子もいた。また、2人はその後3人の子供を授かり、さらに1人の養子を迎え、現在では7人の子供たちとともにブレンデッドファミリー(※)を築いている。
 ※カップルのどちらかまたは双方の前のパートナーとの子供が含まれている家族のこと。

(フロントロウ編集部)

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