アンジェリーナ・ジョリーがウクライナの人々と現地で交流
俳優や監督として活躍するかたわら、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の特使を務めるなど人道支援にも力を入れているアンジェリーナ・ジョリーが、ロシアによる軍事侵攻を受けるウクライナのリビウにある寄宿学校や医療機関をサプライズ訪問した。米NBCによると、アンジェリーナはマリウポリから避難してきた子供たちと交流し、彼らの面倒を見る医療関係者やボランティアの人たちから話を聞いたという。
後日、声明を発表したアンジェリーナは、ウクライナの人々の「回復力と勇気と尊厳」を賞賛すると同時に、「戦争がウクライナの子供たちの世代に与えている影響は、見ていて心が痛むほどです。どこの国の子供であっても、家から逃げたり、愛する人が殺されるのを目撃したり、砲撃や家の破壊を経験したりする必要はないのです。しかし、それがウクライナや世界中の多くの子供たちの現実なのです」と述べた。
ちなみに、アンジェリーナが特使を務めるUNHCRは今回の訪問に一切関与しておらず、個人の判断で現地へ行くことを決めたそうで、彼女の代理人は訪問の目的について「アンジェリーナは紛争がもたらす一般市民への影響を実際に自分の目で見て、彼らを支援したいと思っています。彼女は、民間人の避難を可能にする人道的回廊の緊急開放、必要とするすべての人(とくに子供たち)への人道的救済の提供、そして戦争法に従った民間人への攻撃の停止を求めています」と説明している。
アンジェリーナが現地のカフェを訪問した際の映像が話題に
現地のカフェを訪れるところも目撃されており、そのとき撮影された動画にはサインをお願いされて笑顔で応じるアンジェリーナの姿が映っていた。そんななか、この動画の中盤に一瞬だけ映り込んだカップに描かれた火炎瓶のイラストと、詩人のイヴァン・フランコによるポエム「私たちは真実に仕え、嘘を燃やす」がウクライナ国民の心情をよく表しているとして、話題になっている。
SNS上で反響を呼んでいる動画がこちら。
This is a quote from Ivan Franko, a prominent poet and a public figure who lived in Lviv.
— Dimko Zhluktenko �� (@dim0kq) May 1, 2022
As for the phrase written on the cup, it says "the truth we ought to serve, the lies we ought to burn".
2月下旬に始まったロシアによるウクライナ侵攻は今もなお続いており、国連人権高等弁務官事務所(ONCHR)の発表では、侵攻開始から約2ヵ月間でウクライナでは少なくとも2,787人の民間人が死亡し、そのうちの202人が子供だった。しかし、最大の激戦地と言われるマリウポリでは2万人以上の民間人が亡くなったという報告もあり、戦闘が激しい地域では情報収集が遅れていることから、実際の死者数は発表されている数をはるかに上回っている可能性が高い。(フロントロウ編集部)