キム・カーダシアン、「マリリン・モンローの最後のドレス」でメットガラに参上
2021年のメットガラでは前代未聞の“黒子ルック”を披露して話題をさらったリアリティスターのキム・カーダシアンが今年もやってくれた。
「In America: Anthology of Fashion(イン・アメリカ:アメリカのファッションのアンソロジー)」がテーマの2022年のメットガラに合わせて、キムが選んだのは故マリリン・モンローが実際に着用したキラキラと輝くスリーブレスドレス。
このドレスは、マリリンが、1962年5月、ニューヨークにあるマディソン・スクエア・ガーデンで行われた当時のアメリカ大統領ジョン・F・ケネディの誕生日イベントで約1万5,000人を前に「ハッピーバースデー・ミスタープレジデント」を歌ったときに着ていたもの。マリリンは同年の8月に亡くなっており、このドレスは生前最後に公の場で着たドレスとして知られている。
フランス人デザイナーのジャン・ルイが手がけ、2,500個以上のクリスタルが全て手作業で縫われたドレスの制作費は約1,200万円。
マリリンが亡くなった後、1999年に一度オークションに出品され、当時約1億2,600万円で落札されたが、2016年に再びオークションへ。その際、6.2億円というとんでもない値段で競り落とされ、現在は米フロリダ州オーランドにある珍品博物館『リプリーズ・ビリーブ・イット・オア・ノット(Ripley's Believe It or Not!)』に展示されている。
“裸ドレス”のパイオニア
アメリカの歴史上最もアイコニックなドレスの1つに数えられるマリリンのドレスを選んだ経緯について、「(マリリンのドレスを着るという)アイディアは去年の9月、メットガラが終わってすぐにひらめきました。(昨年着た)バレンシアガの衣装ではないとしたら、アメリカというテーマに合わせて何を着だろうかと考えたんです。一番アメリカらしいもって何だろう?と。そこで思いついたのが、マリリン・モンローでした」と米VOGUEに語ったキム。
「マリリン・モンローの最も彼女らしい瞬間を思い浮かべたとき、私の頭に浮かんだのは、彼女がジョン・F・ケネディ大統領に『ハッピー・バースデー』を歌った時だったんです」と続け、マリリンのこのドレスが、近年セレブたちの間でトレンドとなっている“ネイキッド・ドレス(裸ドレス)”と呼ばれるシースルーのドレスの草分け的存在だとも話した。
白いファーのコートを着て壇上に上がったマリリンが、コートを脱ぎ、ドレスをお披露目した瞬間、そのあまりの美しさとセクシーさに、客席にいた観客たちからは感嘆と驚きのため息が漏れた。
「最近では、みんなが透けるドレスを着るようになりましたが、当時はそうではありませんでした。このドレスはネイキッド・ドレスの起源とも言えます。だからショッキングだったんです」とキム。今年のメットガラでは、マリリンと同様に白いフェイクファーのジャケットをはだけ、その瞬間を再現して見せた。
マリリンのスリーサイズに合わせるという試練
じつはキムがマリリンの伝説のドレスを着るようだという情報はメットガラの数日前からネット上でウワサに。
というのも、キムが4月の半ばに恋人でコメディ俳優のピート・デイヴッドソンを同伴して、4月の半ばにリプリーズ・ビリーブ・イット・オア・ノットを訪れている姿が目撃されたから。
さらに、自身とカーダシアン/ジェンナー家のメンバーが出演する新リアリティ番組『カーダシアン家のセレブな日常』のプレミアでメットガラでは何を着るのか聞かれ、次のように話していた。
「ドレスが着られるかが問題ですね。行けるといいんのですが」「最後まで着るものが決まらないかもしれません。(着ようとしているドレスは)改造できないので、そのサイズに私がフィットしなくてはいけないんです」。
世界に一着しかないマリリンのドレスは、希少なものすぎて手を加えることはできない。そのため、キムはマリリンのスリーサイズに合わせて必死のダイエットをしたそう。
「1日2回サウナスーツを着て、ランニングマシーンで走って、砂糖と炭水化物を排除して、とにかくクリーンな野菜とたんぱく質だけを摂りました」と振り返っている。
博物館の見学から1カ月後、ドレスを試着して見事にフィットしたときは「嬉しくて泣きそうになりました」と話している。
レッドカーペットで着たものは実物ではない
ただし、キムがメットガラのレッドカーペットで着用したマリリンのドレスは実物ではない。実物のドレスは言うまでもなく年季もので、かなり繊細。ちょっとした衝撃で破れてしまったり、装飾が落ちてしまったりする可能性も。
そのため、メットガラ当日は、会場内に用意された特別室でほんの数分間だけ実物を着用して写真を撮ったものの、実際にカーペットを歩く際は、まったく同じように作られたレプリカを着用していた。
「ドレスに対して究極の敬意を払っています。アメリカの歴史上どれだけ大きな意味を持つものなのかも理解しています。だからドレスを着て座ったり、食事をしたり、ダメージを与えてしまうリスクがある行動は絶対にしません。いつもしているボディへのメイクもしませんでした」と実物を着るときは、細心の注意を払ったことを明かしている。(フロントロウ編集部)