クローネンバーグ監督が初期作品に回帰
レア・セドゥとクリステン・スチュワートが共演したことでも注目を集めるデヴィッド・クローネンバーグ監督による最新作『Crimes of the Future(クライム・オブ・ザ・フューチャー)』は、開始から最初の5分で出ていく観客がいるだろうと監督本人が予想するほどの内容だという。
本作は、クローネンバーグ監督の8年ぶりの新作。監督の代表作には『マップ・トゥ・ザ・スターズ』や『ヒストリー・オブ・バイオレンス』といったダークヒューマンドラマがあるが、本作で彼は、比較的初期の作品であるハエ男を描いた『ザ・フライ』や寄生虫に体を乗っ取られる『デビッド・クローネンバーグのシーバース』の方向に回帰する。
舞台は、人間が人工環境で生きるようになった未来。そこでは人体は新たな進化と変化を遂げる。キャプリスとサウルという2人のアーティストが、サウルの内臓の変化をパブリックアートにした時、政府の調査官であるティムリンはそれに熱狂していく。彼らの目的は、人間の進化における新たなフェーズに光を当てること…。
監督は米Indie Wireに、本作によって「世界を攻撃したい」と話す。
『Crimes of the Future』に耐えられるか…?
先日公開された予告編の映像ですでに、本作は人を選ぶ作品であることは理解できる。それは監督も理解しているようで、米Deadlineのインタビューでこんな確信を語った。
「非常に強いシーンがいくつかあります。映画の最初の5分で出ていく人がいるのは確実でしょう。私は確信していますよ。すでに映画を見た人たちからは、人によっては最後の20分が非常にこたえるだろうと言われていますので、そこでも多くの人が出ていくでしょう」
さらには、パニック発作を起こしそうだったという人物もいたという。本作は2022年のカンヌ国際映画祭でプレミア上映となるが、監督は映画祭でも出ていく人がいると予想しており、さらに興味深い楽しみ方を明かした。
「カンヌでも出ていく人がいると思います。そしてそれは非常に特別なことです(笑)。(カンヌでは)退席は必ずあることですが、人々が出ていくと、立った時に座席のシートが鳴るんですよ。シートが後ろまで倒れて、後部座席に当たるので。なので、カン、カン、カンと聞くことになります」
監督は1970年に、同名の映画『クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確立』を発表しているが、本作はこの作品のリメイクや続編というわけではない。
(フロントロウ編集部)