6月のプライド月間中にイギリスで開催されたLGBTQ+アーティストたちによるコンサートProud&Loudに出演したイギリス人シンガーのカラム・スコットが、フロントロウ編集部のインタビューで、同性同士の結婚やプライドについて語った。(フロントロウ編集部)

カラム・スコットがLGBTQ+コミュニティについて語る

 毎年6月は多くの国でLGBTQ+コミュニティの歴史や存在にスポットを当てるプライド月間とされており、2022年で最初のプライドマーチから50周年という節目の迎えるイギリスでは、6月4日にLGBTQ+アーティストたちによるコンサートProud&Loudが開催された。

画像: カラム・スコットがLGBTQ+コミュニティについて語る

 そのコンサートでヘイリー・キヨコやキャット・バーンズらと共に出演したカラム・スコットに、フロントロウ編集部がインタビュー。10月18日に初の来日公演も決定した彼が、プライドや同性同士の結婚について語った。

「人の人生に関われることはある種のマジック」

 カラムといえば、イギリスの人気オーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』で最高評価のゴールデン・ブザーを獲得し、デビューアルバム『Only Human』は75億回以上のストリーミングを記録した人気シンガー。

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 10代前半の頃に同性愛者ということを親しい友達にカミングアウトするも、その友達が離れていったという悲しい経験があるカラムにとって「プライド」とはどのような意味があるのか。

 「自分にとってプライドというものは、自信であり、勇気を持つこと、自分を信じることの3つだと思います。私は性別に関することや、自分が育ってきた“旅”というのを音楽によって救われました。そういう意味では自分にとってプライドというものは大きな部分をしめていると思います。今は自分の感情を音楽に乗せることができて、聞いてくれた人々がそれぞれの人生の旅に連れて行ってくれる。人の人生にかかわれるというのは、ある種のマジックでもあると思います。自分の音楽がその人にとっての薬になるような感じです。それを今、自分が世間に届けられる立場になるということは、同時に責任感も感じています。ただ人を助けたいというこの気持ちが自分にとって大きなことであり、音楽がそうさせてくれているので、プライドという言葉は自分にとってとても重要な意味合いがあり、その言葉は自分の心の中で強くなっています」

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 G7の中で唯一、同性同士の結婚が認められていない日本。カラムの出身国であるイギリスでは2014年に合法化されたのだが、同性同士の結婚が法的に認められるということが持つコミュニティを超えたインパクトについて、カラムはこう語った。

 「イギリスで同性婚が認められたことはLGBTQ+コミュニティだけではなく、社会全体に影響を与えたと思います。ただ世界的にはイギリスほど理解されていない国があるというのも分かっています。でも、ぜひイギリスを見て理解してもらいたいと思うことは、どんなセクシュアリティであれどんな性別であれ人々は愛されるべきだし、愛せるべきです。それが平等だと思うのです。そういう意味では、たかが結婚と思われているかもしれないですが、結婚できるということがいかに当人たちにとって喜ばしいことなのか。そのハッピーな姿をぜひ見てもらいたいと思います。もちろんイギリス国内でもまだまだ進化過程の途中ですが、世界中でより進んでいったらいいなと思っています」

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 カラムの楽曲の中には、自分らしくあることを歌った楽曲が多数存在する。その楽曲を引き合いに出し、「たとえば自分のデビューアルバムに収録されている「No Matter What」や、新曲「Boys In The Street」は、LGBTQ+コミュニティに向けて歌った曲でもありますが、それ以外の人たちにも、思いやりと理解の心を持とうというメッセージを送っています。だって誰でも愛される価値はあるのですから」とコメント。そしてまだ同性婚が認められていない日本について「日本でも近い将来、同性婚が認められるようになることを祈っています」と語った。

 カラムにとって待望の来日公演は10月18日にEX THEATER ROPPONGIで開催されることが決定。チケットは現在発売中なので、カラム・スコット来日特設サイトはこちらから:aegx.jp/schedule/10/2022/606/。(フロントロウ編集部)

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