映画『トイ・ストーリー』フランチャイズの最新作『バズ・ライトイヤー』の上映中に「早送りする」と、オクラホマ州の映画館が宣言して炎上している。(フロントロウ編集部)

『トイ・ストーリー』最新作

 オクラホマ州の映画館89'er Theaterが劇場の扉に張り出した注意文に批判が殺到している。そこには、7月1日に日本でも公開が始まる映画『バズ・ライトイヤー(原題:Lightyear)』についてこう書かれていた。

 「保護者の方へお知らせです。この劇場の管理者は『ライトイヤー』の上映をブッキングした後に、同ピクサー映画の最初の30分以内に同性のキスシーンがあることを発見しました。そのシーンは早送りするよう全力を尽くしますが、ぴったり正確にはいかない場合があるかもしれません。このシーンの発見が遅れたせいで、ご迷惑をおかけしますことをお詫び申し上げます」

 『バズ・ライトイヤー』ではバズの相棒アリーシャ・ホーソーンが女性パートナーと家庭を築いているのだが、劇中で2人が挨拶レベルのキスをする。『トイ・ストーリー』フランチャイズでは、これまでにウッディとボー・ピープの恋愛やポテトヘッド夫妻のイチャイチャシーンなどが描かれており、カップルが登場するのは新しいことではないが、今作は同性同士のキスであるため“不適切”と差別的な声が一部であがっており、映画は14ヵ国で上映禁止となっている。

 89'er Theaterも同じく“不適切”だと思っているようで、アリーシャとパートナーのキスシーンを“早送り”すると宣言。お金を払って観に行った映画を勝手に早送りされるのはたまったものじゃないが、そもそもこの措置は差別。この張り紙が市民によってSNSで公開されると、劇場には批判が殺到し、劇場側はそそくさと張り紙を撤去。そして劇場のオーナーは、実際には上映での早送りは行なっていないと現地のテレビ局KOCO 5に釈明した。

画像: 映画『バズ・ライトイヤー』でバズの声優を担当するクリス・エヴァンスは、映画に対する同性愛差別的な意見は「バカ」だとロイター通信で切り捨てた。

映画『バズ・ライトイヤー』でバズの声優を担当するクリス・エヴァンスは、映画に対する同性愛差別的な意見は「バカ」だとロイター通信で切り捨てた。

 現在、劇場の公式フェイスブックには苦情のコメントが殺到しているが、なかには、劇場で公開中の映画『トップガン マーヴェリック』に触れて、「たくさんの汗だくの筋肉質のイケメンたちが短パン一丁でビーチでサッカーをするシーンがあるんです。ハイタッチしたり、胸をぶつけたり、ある時はシャツを着ていない男性が他の男性を肩車するんですよ。自分が食べているポップコーンですらゲイになるんじゃないかと心配になるくらいです。善良な人々にこのことを注意喚起する張り紙を貼ってください!」といった皮肉コメントも書き込まれている。(フロントロウ編集部)

 

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