ブラッド・ピット、人の顔が覚えられず“誤解”されることも
映画『マネーボール』や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』などの代表作で知られ、今年9月に新作映画『ブレット・トレイン』の公開を控える俳優のブラッド・ピットが、自分が人の顔を認識できない相貌失認(失顔症)だと考えていることを米GQのインタビューで明かした。ただし、ブラッドによると、病院で正式な診断を受けたわけではないという。
最近のGQのインタビューで、人の顔を認識することや顔の特徴を思い出すことができない問題について言及したブラッドは、「誰も信じてくれません」と嘆くと同時に、インタビュアーの夫が同様の症状を抱えていることを知ると「(自分と同じ悩みを持つ)他の人に会いたいです」と口にした。
失顔症とも呼ばれる相貌失認とは一体どのような病気なのか? 相貌失認とは、目や鼻など顔のパーツは知覚可能であるのに、顔全体を見て個人の識別をすることができない状態を指す。英国の国民保健サービス(以下NHS)によると、相貌失認には先天性のものと後天性のものがあり、人生のほとんどあるいは生涯にわたって続く病気だという。「相貌失認の人の多くは、家族やパートナー、友人を認識することができません」、「歩き方や髪型、声、服装を覚えるなど、別の方法で人を認識することで対処している場合があります」とNHSのウェブサイトは説明している。
ちなみに、ブラッドが“人の顔が覚えられない”と発言をするのは今回が初めてではない。2013年に米Esquireのインタビューを受けたブラッドはそこでこう語っている。
「私は多くの人に嫌われています。周りを見下していると思われているからです。だから、今年に入ってから、『どこでお会いしましたっけ?』と相手に正直に伝えることにしたんです。でも、それは状況を悪化させただけでした。(言われた相手は)さらに気分を害することになってしまいました。なかには(どこで会ったか)教えてくれる人もいるので、『ありがとう』と言うのですが、かえって反感を買ってしまうんです。人からよく『自己中心的だ』『うぬぼれている』と言われます。でも、私にとっては謎です。私はデザイン的・美学的な観点でやってきたのに、人の顔を把握することができないんです。検査を受けようと思っています」
また、2020年、第92回アカデミー賞で助演男優賞にノミネートされた際、アカデミー賞候補者たちのランチ会に参加したブラッドが、誰もが知る有名俳優にもかかわらず、律儀に用意されていた“名札”をつけていたことが話題になったが、当時、ブラッドの状態を知るファンからは「人の顔が認識できないから自分も名札をつけたのだろう」と指摘する声があった。(フロントロウ編集部)