ティーン/キッズ世代に大人気のディズニー映画『ゾンビーズ3』で、“ディズニーの実写作品として史上初めてノンバイナリーであることをオープンにしているキャラクター”を演じたテリー・フーを紹介。(フロントロウ編集部)

『ゾンビーズ3』でノンバイナリーの宇宙人が登場

 ディズニープラスで7月15日から独占配信が始まった『ゾンビーズ3』で歴史を作った、ニュージャージー州生まれのノンバイナリーの俳優であるテリー・フーが注目を集めている。

 『ゾンビーズ』はハイレベルな音楽とダンスと共に、人間、ゾンビ、狼族と異なる種族の対立と調和と通して、偏見や差別の愚かさと違いを受け入れることの大切さを訴える青春ミュージカル映画シリーズ。

 テリーが本シリーズで演じるのは、最新作『ゾンビーズ3』で新たに登場する種族である宇宙人のひとり、A-Spen。超人的な知能とテレパシーの能力を持つA-Spenは、地球に来てから“愛”という新たな感情を覚えるようになる。映画ではノンバイナリーのキャラクターという設定で、ディズニーの実写作品でそれをオープンにしているキャラクターが登場するのはこれが初めてだという。

テリー・ヒューが自身の道のりを明かす

 A-Spenを演じるテリーは、クィアでありノンバイナリーであることをオープンにしている俳優。ニュージャージー生まれの中国系アメリカ人で、2022年に27歳になる。短編作品への出演を続けていたテリーにとって、『ゾンビーズ3』はブレイク作品と言える。

 そんなテリーは、2022年のノンバイナリー啓発週間(7月11日~7月17日)にインスタグラムで自身の道のりをこう綴った。「ノンバイナリーであるとカミングアウトしたのは2020年1月。心の奥底ではずっと自分が女の子じゃないと分かっていたけど、それをどう表現していいかわからなかった。もしかしたら、自分でそれを認めるのが怖かったのかもしれない」。

 “ノンバイナリー”というアイデンティティが明確に存在しているおかげで、そのアイデンティティを自認する人々を「安心」させて「正当な存在」にすると語ったテリーは、自分がノンバイナリーであると受け入れて誇れるようになったのは、自身のまわりのクィア・コミュニティや友達の力によってノンバイナリーというアイデンティティがノーマライズ(※普通のこととされること)されていたおかげだとしたうえで、『ゾンビーズ3』配信後に「たくさんの若い人に『ノンバイナリーの自分にとって、自分たちのレプリゼンテーション(※表象)があることが嬉しい』と言ってもらえていることは心が温まる経験」と、今では自分自身がノンバイナリーというアイデンティティをノーマライズする側に立ったことを喜ぶコメントをしている。

画像: テリー・ヒューが自身の道のりを明かす

 「子宮にいた頃からクィアなことはわかっていた(笑)」というテリーだが「幼い頃はずっと(LGBTQ+であることを)隠していた」そうで、だからこそ、「(若い世代が)本当の自分を若い頃から見つけられた(または探究できている)ことを嬉しく思う」と綴っている。

 テリーが言うように、Z世代と言われる次世代はジェンダーやセクシャリティとの向き合い方が上の世代とは異なっている。より多様でインクルーシブになっている考え方の背景には、より多様でインクルーシブになっていくことが求められているエンターテイメントの存在がひとつの要因としてあり、『ゾンビーズ3』でテリーが作った歴史のインパクトは大きい。テリーが演じるA-Spenの活躍が見られる『ゾンビーズ3』はディズニープラスで独占配信中。(フロントロウ編集部)

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