医師が教える有酸素運動と胃の状態の関係
ウォーキングやランニングなどの有酸素運動をするときに気になるのが、事前に食事を摂っておくべきか、それとも空腹状態で取り入れたほうがいいのかということ。ここ最近海外では、朝一番に空腹状態で有酸素運動を行なう「ファステッド・カーディオ(fasted cardio)」という運動法が注目されていて、空腹時に有酸素運動を実践する人が増加中。
となると空腹時にやるのが正解なの?という気持ちになるけれど、一筋縄ではいかないのがボディメイク。医師によると、目的によって空腹時がベストな場合とそうでない場合があるという。
教えてくれたのは、スポーツ整形外科としてトップアスリートから高齢者までのリハビリやトレーニングを提供する「医療法人藍整会 なか整形外科」で理事長を務める樋口 直彦医師。樋口医師が教える、目的別のベストな取り入れ方をご紹介。
減量したいなら空腹時はベストタイミング
樋口医師は、「減量に限って言えば、有酸素運動は空腹時に行なうのがオススメです」と話し、減量が目的の場合は有効な方法だと説明。
なぜなら、空腹時には体脂肪がエネルギー源として使われやすいから! 体脂肪がエネルギー源となることで脂肪が燃焼されやすくなり、ダイエット効果が高まるのだという。とはいえデメリットもあり、低血糖を引き起こすリスクも。そのため安全に取り入れたい場合は、せめてバナナ1本でもいいので食べておくようアドバイスした。
また減量を目的とする場合は、筋トレなどの無酸素運動の後に、ジョギングなどの有酸素運動を行なうこともオススメだと補足。筋トレを先に行なうことで「成長ホルモン」が分泌され、脂肪燃焼効果が高まるそう。この場合は無酸素運動の時点で脂肪が燃焼し始めているため、有酸素運動は10分程度でも効果が期待できるという。
筋肉をしっかりつけたいなら空腹時はNG
一方で空腹時に有酸素を取り入れないほうがいいのが、筋肉をしっかりつけたい場合や筋肉を大きくしたい場合。
樋口医師は、「空腹時の有酸素運動は、(脂肪だけでなく)筋肉からもエネルギーを補給しようとして筋肉が分解される作用も働き、筋肉が減少してしまう可能性があります」と説明。とはいえ満腹すぎるのもよくないそうで、空腹でも満腹でもない状態、つまりエネルギーはあるが胃の内容物がいっぱいではない状態がベストだと明かした。
また、筋肉をつけたい場合には運動前に食べるものの種類も大切だそうで、筋肉のエネルギー源である糖質を摂取するのがいいそう。
教えてくれたのは…樋口 直彦医師
スポーツ整形外科としてトップアスリートから高齢者までのリハビリやトレーニングを提供する「医療法人藍整会 なか整形外科」の理事長。
バレーボールVリーグのサントリーサンバーズのチームドクターも務める。
「医療法人藍整会 なか整形外科」公式サイト:nakaseikei.com
(フロントロウ編集部)