撮影も完了していた映画『バットガール』が配信も劇場公開もされないことについて、監督が正式にコメントを発表した。(フロントロウ編集部)

『バットガール』がお蔵入り、驚きの決定に監督がコメント

 予算9000万ドル(約120億円)をかけて制作され、今年中にHBO Maxで配信される予定だった映画『バットガール』のお蔵入りを、ワーナー・ブラザースが認めた。DCコミックスを原作とした映像作品においては男性ヒーローに対して女性ヒーローが少なく、バットガールが主人公の単体映画は期待されていた。

 スポークスパーソンは米THRに対して、今回の決定は「上層部の戦略の変換」を反映したものだとしている。ワーナーメディアの前CEOであるジェイソン・キラール氏はHBO Maxの構築に力を入れていたが、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの現CEOであるデヴィット・ザスラフ氏は、ふたたび劇場公開作品に力を入れていく方針だと報じられている。

 『バットガール』は劇場公開作品としては十分に大きくはなく、ストリーミングサービスで利益的に意味を成すほどは小さくないと考えられたと見られ、劇場作品として成功するために追加でかかる費用を考えたとき、お蔵入りさせた方が良いと判断されたと言われている。

 そして、この決定を受けて、『バットガール』のアディル・エル・アルビ監督とビラル・ファラー監督がコメントを発表した。

 「ニュースに悲しみ、ショックを覚えています。いまだに信じられません。監督として、私達の作品を観客に見せることは非常に重要です。そして、映画はまだ完成には程遠かったとはいえ、世界中のファンが最終版の映画を見て、愛する機会を得られることを願います。もしかしたら、神が望めばいつかそうなるかもしれません。

 私達の素晴らしいキャストとスタッフは、バットガールに命を吹き込むために素晴らしい仕事をして、一生懸命に働きました。そのチームの一員になれたことを、一生誇りに思います。マイケル・キートンやJ・K・シモンズ、ブレンダン・フレイザー、ジェイコブ・スキピオ、コーリイ・ジョンソン、レベッカ・フロント、そして、大きな情熱、献身、人間らしさとともにバットガールを表現してくれた偉大なレスリー・グレースといった素晴らしい俳優達とともに働くのは、夢のようなことでした。

 幼い子どもの頃からバットマンの大ファンだった身として、たとえそれが一瞬のことだったとしても、DCEUに参加できたことは特別で光栄なことでした。バットガールは一生」

 また、バットガール/バーバラ・ゴードンを演じたレスリー・グレースもコメントを発表した。

画像: レスリー・グレースがコメントともに公開した写真。

レスリー・グレースがコメントともに公開した写真。

 「私達の映画『バットガール』についての最近のニュースを受けて混乱しています。スコットランドで7ヵ月以上、素晴らしいキャストと精力的なスタッフのみんながこの映画に込めた愛、ハードワーク、そして意志を誇りに思います。本当に偉大な人々と一緒に働くことができ、そのなかで今後も続く人間関係を築くことができたことに感謝しています!すべての『バットガール』ファンへ。愛と信念、私がマントを被り、バーバラが言っていたように、“自分自身の最高なヒーロー!”にならせてくれてありがとうございます。バットガールは一生!」

 撮影は完了し、残す編集作業を進めていた制作陣にとってはショックなニュース。スタジオによると、この決定は俳優や制作陣の才能やパフォーマンスを反映したものではなく、「近い未来に全員とふたたびコラボレーションすることを望んでいる」としている。

(フロントロウ編集部)

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