SNSではフィルターで“盛る”のが当たり前の現代
普段の生活でSNSが必要不可欠になっている今の時代。最近では加工やフィルターを写真に加えることが一般的になっており、SNS には“盛られた”写真がアップされていることが多い。
しかし、フィルターによって加工された姿への慣れは、自分の実際の容姿に対する不満を与え、整形への強い願望や身体醜形障がい(※)に繋がることが懸念されてきた。※身体醜形障がいとは、自分の容姿を酷いと感じ、自分の身体や美に極度にこだわるようになること。
インスタグラムのフィルターを作るSpark ARのように、「well-being policies(心身の健康を守る決まり)」の一環として「すべての整形を彷彿とさせる加工」が施されたフィルターの制作を禁止することを発表する企業も出てきているが、国までもが動き出している。
加工した写真は申告しなければ罰金
ノルウェーでは2021年6月に、ソーシャルメディアのインフルエンサーや広告主が、自社のソーシャルメディア上のタイアップ投稿の写真にレタッチした場合、申告しないと違法とする新たな規制を制定した。
イギリスも同じ法律を制定しようとしており、下院で議論されている新法案は、加工された顔や体の画像にロゴを表示する必要があるとしているだけでなく、フィラーなどの美容サービスのソーシャルメディア・プロモーションを厳しく規制し、施術の予約に関心を持つ人々のメンタルヘルスの状態を過去に遡ってチェックするべきだとしている。
イギリスではこの新法がいつから適用になるかや、違反した場合の罰金額やその他の処罰の内容は決定していないが、2017 年に同じような 法案が可決されたフランスでは、最大で約500 万円または広告収益の30%の罰金が課せられている。(フロントロウ編集部)