米ニコロデオンの人気シリーズ『iCarly』でサム・パケットを演じていたジェネット・マッカーディが、当時番組のクリエイターから虐待を受けていたことを告発。主演のミランダ・コスグローヴもコメントを発表した。(フロントロウ編集部)

ジェネット・マッカーディが『iCarly』プロデューサーから受けた虐待を告発

 2007年〜2012年に米ニコロデオンで放送された人気シリーズ『iCarly』でサム・パケットを演じていたジェネット・マッカーディが、8月9日に刊行する著書『I'm Glad My Mom Died(原題)』のなかで、当時番組出演中に“ザ・クリエイター”とする人物から受けていたという虐待について告発し、衝撃が広がっている。

画像: ジェネット・マッカーディが『iCarly』プロデューサーから受けた虐待を告発

 『I'm Glad My Mom Died(原題)』の抜粋を入手した米Varietyによれば、ジェネットは同書で、彼女が「ザ・クリエイター」と呼ぶ匿名の男性から18歳だった頃にお酒を飲むように勧められたことや、不適切な方法で肩をマッサージされたことを告発。「私は彼に『止めて』と言いたかったのですが、彼を怒らせてしまうことが恐ろしくて」言えなかったとも綴っている。

 また、『iCarly』のスピンオフである、2013年〜2014年に放送されたシリーズ『サム&キャット』では主演を務めたジェネットは、同シリーズが終了を迎えた際にニコロデオン側から「30万ドル(約4,000万円)」の支払いをオファーされたことも打ち明けている。ジェネットはこの金額について、「彼らは30万ドルを支払ってくれる。彼らの唯一のお願いは、あなたがニコロデオンで経験したことを公の場で口外しないこと」とマネージャーから伝えられたとして、“口止め料”として提示された金額だと明らかにした。ジェネットは著書のなかで、特に「ザ・クリエイターに関連した経験」について口止めされたと綴っている。

 当然、ジェネットは30万ドルの受け取りを拒否したといい、「一体どういうこと? ニコロデオンが番組で私がした経験を口外させないために30万ドルをオファーしているって? ザ・クリエイターからの虐待という、私の個人的な経験のことを? これは子どもたちのための番組を作っているネットワークなのに」と続けた。

ミランダ・コスグローヴがジェネット・マッカーディの告発にコメント

 また、米The New York Timesによれば、ジェネットは当時、衣装合わせの時にビキニ姿を写真に収められたこともあったと書いているいう。以前にも母親からの虐待を告発しているジェネットは、日本語で『母親が亡くなって嬉しい』を意味するショッキングなタイトルがつけられた著書のなかで、当時母親は自分の味方をしてくれなかったとも記している。

 「私は幼少期や思春期を通じて搾取され続けていました。未だに、こうやって口にするだけでも神経が反応してしまいます」とジェネットは米The New York Timesに語っている。「中には、自分たちが何をしているかを分からずに、よかれと思って彼らがやっていたこともありましたが、自分たちが(搾取)していることを把握した上でやっていることもありました」。

画像: ミランダ・コスグローヴがジェネット・マッカーディの告発にコメント

 ジェネットの告発を受けて、『iCarly』で主演のカーリー・シェイを演じたミランダ・コスグローヴも米The New York Timesにコメント。「若い時には、自分のことでいっぱいいっぱいになってしまいます。周りにいる誰かが自分よりも遥かに辛い思いをしているなんて、想像もつきません。同じ空間にいて、みんなを笑わせてくれていた人からこういう告白があるなんて、思いもしませんでした」と声明を寄せて、当時、ジェネットが受けていたという虐待のことはまったく把握していなかったとした。

 『iCarly』は昨年6月、ミランダら当時のキャストを迎えたリブート版が米パラマウントの動画配信サービス「Paramount+」で配信されたが、ジェネットは参加していなかった。『iCarly』リブート版は現時点でシーズン3まで更新されたことが明らかになっている。(フロントロウ編集部)

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