エリザベス女王にとってバルモラル城は特別な場所
現地時間9月8日、イギリス国民のみならず世界中の人たちから愛され親しまれてきたエリザベス女王が、スコットランドのバルモラル城で死去した。享年96歳。バルモラル城はエリザベス女王の私邸のひとつで、毎年ここで夏季休暇を過ごしていたことで知られる。2021年に夫のフィリップ王配が亡くなるまでは、フィリップ王配も一緒にバルモラル城に滞在していた。
そのバルモラル城は、エリザベス女王にとって、亡き夫のフィリップ王配との思い出が詰まった特別な場所だった。女王の伝記『Elizabeth the Queen: The Life of a Modern Monarch(原題)』を執筆した王室伝記作家のサリー・ビーデル・スミス氏によると、バルモラル城はフィリップ王配がエリザベス女王にプロポーズした場所で、2人がハネムーンに訪れた場所でもあった。同時にバルモラル城はエリザベス女王が生まれたときから慣れ親しんだ場所で、「元気回復と内省の場でもあった」そう。
また、ロイヤルファミリーのあいだでは、長男のチャールズ皇太子(チャールズ新国王)をはじめとする子どもたちや、孫たちがバルモラル城に集まるのが“夏の定番”となっていて、ウィリアム王子とキャサリン妃、夫妻の子どもであるジョージ王子とシャーロット王女、ルイ王子はエリザベス女王が亡くなる数週間前にバルモラル城を訪れ、一緒に過ごしたと伝えられている。
ちなみに、エリザベス女王の健康不安の一報を受けて、女王の4人の子どもたち、チャールズ皇太子(チャールズ新国王)、アン王女、アンドルー王子、エドワード王子のほか、孫のウィリアム王子がバルモラル城へと駆けつけた。ウィリアム王子の弟ヘンリー王子も予定を変更してスコットランドへ向かったが、城に到着したのは逝去が発表された約1時間後だった。王室の発表によると、女王は家族に見守られるなか穏やかに息を引き取ったという。(フロントロウ編集部)