シェリル・リー・ラルフがエミー賞を初受賞。言葉にならず、スピーチの代わりに歌を歌い始めた彼女の声に、涙と鳥肌。(フロントロウ編集部)

シェリル・リー・ラルフがエミー賞受賞で熱唱

 第74回エミー賞で、ドラマ『アボット エレメンタリー』のシェリル・リー・ラルフがコメディ部門助演女優賞を受賞した。黒人女性が同賞を受賞するのは史上2人目のことで、シェリルは65歳にしてトロフィーを手に掴んだ。

 ステージ上でトロフィーを手渡された彼女は、感激のあまり動けなくなってしまい、会場にいた多くの後輩俳優たちから盛大な拍手が巻き起こった。歓声を受けた彼女は、数秒間をかけて気持ちと息を整える。そして次の瞬間、彼女が発したのはスピーチではなく、ジャズシンガーであるダイアン・リーヴスの楽曲「Endangered Species」を歌う歌声。

 「私は絶滅危惧種。でも犠牲者の歌は歌わない。私は女性。私はアーティスト。私は自分の声がどこに属するか知っている」

 深く熱く美しい歌声と、その歌詞。シェリルの歌からは、音楽が思いを表現するものであることを心で理解させられる。鳥肌がゾワゾワゾワと立ち続ける彼女のスピーチには、当然ながら会場でスタンディングオベーションが起こった。そしてその後、彼女は人々へ向けてスピーチも送った。

 「夢を心に抱いたことがあり、その夢が叶うことはない、叶えられることはないと思ったことのある人へ。私はここからあなたへ話しています。信じるというのは、こういうことなのです。努力することは、こういうことなのです。自分のことを諦めないで。(共演者でありプロデューサーの)クインタ・ブランソンが味方にいたら、私の夫のような味方がいたら、私の子どものような味方がいたら、そして私に投票してくれて、励ましてくれて、愛してくれた、みんなのような友人がいたら! ありがとう。ありがとう。ありがとう!」

 『アボット エレメンタリー』は、アメリカのフィラデルフィア州にある黒人生徒の多い公立小学校の教師たちを描くドラマ。非常に高い評価を受けており、エミー賞授賞式では、『グッド・ドクター』の主演フレディ・ハイモアといった他の作品の俳優たちから、『アボット エレメンタリー』のキャストに会えるなら会いたいと言われるほどの人気だった。日本ではディズニープラスで見ることができる。

(フロントロウ編集部)

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