エリザベス女王、ハンドバッグや指輪を使って側近に合図を送っていた
亡くなったエリザベス女王をはじめとするイギリス王室のメンバーは、社交の場であまり知られていない“秘密の合図”を使うことがある。エリザベス女王は、生前、肌身離さずハンドバッグを持ち歩いていたことで知られるが、このハンドバッグには貴重品や必要な物を入れる以外に重要な役割があった。
たとえば、女王はハンドバッグを最初に持っていたのとは別のほうの手に持ちかえて、対話相手との“会話を終わらせるつもりである”ということを近くのスタッフに伝えていたという。「(その事実を知ったら)女王がバッグの持ち手を変えるのを見たら心配になってしまうかも知れませんが、そこは、(スタッフが)とてもうまくやってくれます。『カンタベリー大主教がぜひお会いしたいとおっしゃています』などと言うのです」と、王室歴史家のヒューゴ・ヴィッカーズ氏は米Peopleに説明する。
ちなみに、このほかにもハンドバッグをテーブルの上に置いたら“5分以内にディナー(夕食会)を終わらせたい”という合図で、ハンドバッグを床に置いたら“今すぐに会話を終わらせたい”という合図だそう。ヴィッカーズ氏によると、結婚指輪をくるくる回した場合も、バッグを床に置くのと同様で“一刻も早くその場を離れたい”ということを意味している。
また、バッキンガム宮殿でパーティー等のイベントを開催した場合は、秘密のブザーを鳴らして“会をお開きにしたい”ということを伝え、合図を受けたスタッフがドアを開放してゲストを外へ誘導していたという。
合図とは少し違うが、ほかのロイヤルファミリーのメンバーにもそういった術があるようで、エリザベス女王の長男であるチャールズ国王は会話を早く切り上げるために軽いジョークと多用し、ウィリアム皇太子はクラッチバッグを使って不必要な握手を避けているとヴィッカーズ氏はPeopleに語っている。(フロントロウ編集部)