“第3の生理用品”として注目が高まる「月経カップ」。ちょっと使ってみたいけれど、「なんだか怖い」「使い方がよくわからない」など、なかなか一歩が踏み出せない人も多いのでは? そこでナプキン派だったエディターが、月経カップを2カ月間お試し。実際に使ってみた感想をお届け。(フロントロウ編集部)

月経カップって、実際はどうなの?

 月経カップとは、生理中に膣内に挿入して経血を溜めるシリコン製のカップのこと。

画像1: 月経カップって、実際はどうなの?

 一定時間おき、経血が溜まったら捨ててまた装着するという、繰り返し使用できるアイテムで、ナプキンやタンポンに比べてゴミが出にくく、環境にやさしいという点でも注目が集まっている。

 また、ナプキンに比べて蒸れたりかぶれたりせず、なにかの拍子にズレて経血が漏れる心配もなし。何より経血が空気に触れないので、「匂い」などが気にならないのも大きなポイントのひとつ。

画像2: 月経カップって、実際はどうなの?

 一方で、月経カップは使用前に煮沸消毒をする必要があったり、挿入の際に経血で手が汚れたりなど、もちろんそれなりに不便なところもある。とはいえ個人の好みはさておき、月経カップにはメリットも多い。

 そこで百聞は一見にしかずということで、これまで基本的にナプキンを使ってきたエディターが、月経カップを2か月間お試し。月経カップを使い始めるまで疑問だったことや、実際に使ってみた感想などをお届け。

使用感はいかに?「月経カップ」を2か月間お試し

 今回エディターがレビューするのは、世界シェアNo.1の月経カップ「ディーバカップ(DivaCup)」。2002年の販売開始以来、世界45ヵ国以上で愛用される月経カップで、初めてでも挿入しやすく取り出しやすいのが特徴。

画像: 使用感はいかに?「月経カップ」を2か月間お試し

 ちなみに、エディターはかなり経血量が多いタイプだけれど、月経カップビギナーということもあり、今回は普通サイズの「モデル 1」をチョイス。さっそく2か月間、月経カップにチャレンジ。

1.挿入時の痛み

 月経カップは折りたたんで挿入するのが基本で、挿入自体はそこまで痛くはなかったものの、月経カップを指で折りたたんだ状態に保つことに意外とひと苦労。とくに潤滑剤を使うと、挿入時の痛みは軽減されるけれど、指先に力を入れづらいかもしれない。

画像: 1.挿入時の痛み

 月経カップの折り方については、リムを内側に折り込み、周りの両側を折る「パンチダウン」が、タンポンぐらいの大きさになって入れやすく、中でぱかっと開きやすいのでオススメ。

 カップを半分に折りたたむ「Cフォールド」は1番簡単な折り方だけれど、面積が大きくなるのでちょっと入れづらい。リムを斜めに折る「セブンフォールド」は中で開きやすいけれど、平らになるので入れ方にコツがいると感じた。

2.日中のつけ心地

 基本的にはタンポンと同じで、膣の奥の無感覚ゾーンにきちんと入っていれば痛みも違和感もナシ。はじめは、月経カップの先端部分が膣口あたりにあたって少し痛かったけれど、グッと奥に押し込めばOK。ナプキンの蒸れやこすれも気にならないので、本当に1日中ラクちんだった。

画像: 2.日中のつけ心地

 ただ座っているときに位置がずれて違和感を感じるときがあったので、上手くフィットさせるのに少し時間がかかるかも。でも一度定位置を把握できれば、2回目以降はかなりスムーズに。

3.取り出すときの不安

 月経カップの使用についてよく声が聞かれるのが、取り出すときの不安。実際にはちょっとコツが必要だけれど、取り出す動作にはそこまで苦労しなかった。

 使い始める前は「月経カップが取り出せなくて焦る…!」とよく聞いていたので不安だったが、ふんっとお腹に力を入れれば自然と出てくるので、今回のレビューで月経カップを使う恐怖心がなくなったのは大きな収穫。

画像: 3.取り出すときの不安

 万が一、膣の中で月経カップが真空状態になって取り出しづらいときは、月経カップを掴んでちょっとへこませると隙間から空気が入って取り出しやすい。あとは、月経カップを取り出した時に自分の経血量がわかるのは、日ごろの健康管理にも役立つので素直にうれしい。

4.公衆トイレでの交換

 公衆トイレで交換するときは、必ず経血で指先が汚れるので、低刺激でアルコールなどを含まない「デリケートゾーン用のウェットティッシュ」などを持ち歩くとかなり便利。

画像1: 4.公衆トイレでの交換

 交換の仕方については、月経カップを膣内から取り出したら、経血をトイレに流して、デリケートゾーン用のウェットティッシュで月経カップを軽くふき、再度中に入れる。膣には自浄作用があるので、わざわざ手洗い場で月経カップを洗う必要はナシ。そのまま入れなおしてOK。

 なにより想像以上に交換が手軽なのが良かった。ナプキンだとくるんだり、その場で捨てられない場合は袋に入れたりなど手間がかかるけれど、月経カップは指先が汚れる以外にデメリットは見られなかった。また、経血の匂いが気にならないところも◎。

画像2: 4.公衆トイレでの交換

5.経血の漏れ

 ディーバカップのモデル1は、最長12時間まで装着可能。もともと経血量が多いタイプだったので不安だったが、基本的には漏れナシ。ただ生理の2日目など、とくに経血量が多い時は少し漏れてしまったので、もうワンサイズ大きいタイプと使い分けるのもいいなと思った。

 月経カップにしてなにより嬉しかったのは、寝方を気にせずにのびのびと寝れること。ナプキンのときは、おしりの隙間からの伝い漏れなどを気にしていたけれど、それが無いだけで寝るときの快適度は段違い。外出や旅行先など、どうしても漏れが心配なときは吸水ショーツを合わせて使うのもアリ。

画像: 5.経血の漏れ

6.煮沸消毒する面倒さ

 月経カップを鍋で煮沸消毒しなきゃいけないなんて面倒…とか思っていたが、意外にも苦ではなかった。ただ、お湯にプカプカと浮かんでくるので、箸などでコロコロと転がすか、泡だて器のなかに月経カップを入れると固定しやすい。

画像: 6.煮沸消毒する面倒さ

 鍋を使うのに抵抗がある人や、そもそも家に鍋がないという人には、100均などで売っているレンジ調理器がオススメ。

 とくに体調が優れないときは、容器に水を入れて一緒にチンするだけなのでかなりラクだった。ただし、蓋がないと吹きこぼれるので注意が必要。月経カップのブランドでレンジ用の専用シリコンカップを販売しているところもあるので、チェックしてみて。

7.温泉やプールでの利用

 とりあえず自宅のお風呂で試してみたけれど、結果としては、水中への経血の漏れはナシ。月経カップが蓋になるので、水やお湯が膣内に入り込まないのだそう。また、タンポンのときのように紐を気にする必要もないので、今度は温泉とかでも使ってみたい。

画像: 7.温泉やプールでの利用

 ただ温泉に関しては、生理中に入ること自体に賛否両論があると思うので、全員が気持ちよく使えるためにも、あまり混雑する時間帯は避けて、空いているときに楽しむのがよさそう。

8.災害時の利用について

 災害時の月経カップの利用については、1つあれば繰り返し使えるし、かさばらないし、ゴミも出ないので便利だけれど、使い方には慣れておく必要はあると感じた。とくに初心者だとすぐに使いこなせない可能性があるので、災害時の支給品としてはまだ課題はありそう。

画像: 8.災害時の利用について

 とはいえ、すでに月経カップを愛用している分には、圧倒的にメリットが多いのでかなり心強いアイテムになると実感。災害時は水が使えないことも想定されるので、一緒にデリケートゾーン用のウェットティッシュは用意しておいたほうがいいかも。

結論:先入観を捨てて、取り入れてみたら最高だった

 2か月間試してみた結果としては、月経カップを取り入れてみて良かった。生理中の蒸れやかぶれもなかったし、匂いも気にならなかったし、なにより生理だということを忘れるぐらい日中も快適だった。

画像: 結論:先入観を捨てて、取り入れてみたら最高だった

 ただ唯一のデメリットといえば、挿入や取り出しなど、使いこなすのに慣れが必要なところ。そこさえ克服できれば、なにかと憂うつな生理期間中の“最高の相棒”になること間違いなし! 今まで月経カップを試してみるのが怖かったという人は、ぜひ参考にしてみて。

<今回レビューで使用した月経カップ>
ディーバカップ(モデル1) 
全3サイズ 4,620円(税込)
・最長12時間まで装着可能
・100%医療用シリコーン製
・ラテックス、BPA、プラスチック、着色料、化学物質不使用
・カナダ製
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(フロントロウ編集部)

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