『007』26作目の主演俳優と監督は誰になる?
6代目ジェームズ・ボンドであるダニエル・クレイグが『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』をもって引退したことで、7代目ボンド俳優は誰になるのかという話題は盛り上がっているが、サム・メンデス監督は次の監督に注目しているよう。
メンデス監督は『007』シリーズ50周年記念作品である『007 スカイフォール』と、それに続く『007 スペクター』を手掛けており、『スカイフォール』は多くの映画賞を受賞するほど評価が高い。そんな彼は、『007』シリーズの次回作となる第26作目では女性の監督が指揮を執ってほしいと考えているという。米Deadlineで話した。
「ボンドを演じる俳優は進化している。監督も進化する必要がある。女性がボンドを監督するのを見るのは素晴らしいことになると思います。それは素敵なことになるでしょう」
前作の『ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、アメリカ人であるキャリー・ジョージ・フクナガ監督が起用され、女性脚本家のフィービー・ウォーラー=ブリッジが脚本チームに加わったことは大きな話題となった。
フィービーはドラマの『Fleabag フリーバッグ』や『キリング・イヴ/Killing Eve』で数々の賞を受賞しており、とくに後者はMI5の職員と暗殺者の攻防を描くスリラーであるため、『007』シリーズの脚本も担当したことがあり、そのジャンルにも精通している彼女は適役では? もちろんアクションが得意な女性の監督は他にも多くいるため、候補は何名もいるだろうが、メンデス監督が言ったとおり女性の監督が起用されれば素晴らしいことになるはず。
ちなみに、もしかしたら『007』シリーズは男性向けなのだから男性監督が撮るべきだという意見もあるかもしれない。しかし、世界的シリーズであり、半世紀以上続いてきた本作には女性のファンも多いため男性向けというのは勝手な偏見。例えば、2018 年に米THRがアメリカの18 歳以上2,201 人を対象とした調査では、『007』シリーズを「全作を見た」という質問では男性の方が女性を上回ったものの、「いくつかを見たことがある」という質問では男性45%と女性48%でほぼ同率。「まったく知らない」と回答した割合も男性5%と女性6%でほぼ同率だった。
さらに言うならば、そもそも男性向け/女性向けというくくり自体に必要性はあるのだろうか。また、もし男性向けであったとしても、女性監督が適切ではないという理由にはならない。映画の歴史を振り返れば、むしろ女性向けとされるような作品であっても女性監督は排除され男性監督が選ばれてきたため、「進化する必要がある」のは確固たる事実。
(フロントロウ編集部)