ライト・セッド・フレッドが無断でビヨンセが自分たちの楽曲をサンプリングとして使用したと告発。しかし、ビヨンセ側が反論して特大ブーメランを食らった。(フロントロウ編集部)

相次ぐ『Renaissance』のクレジット問題

 ビヨンセは、2022年にアルバム『Lemonade(レモネード)』以来、約6年ぶりのスタジオアルバム『Renaissance(ルネッサンス)』をリリース。これまでとは違うサウンドで、ビヨンセ史上最高のアルバムとの呼び声が高い『Renaissance』は、多くのセレブもお気に入り。

 そんな『Renaissance』では、ドナ・サマー、モワ・レネー、ロビンSやビッグ・フリーディアなど多くのアーティストの楽曲がサンプリングされているのだが、曲の使用についていくつかのアーティストとの間で問題になってきた。

 アルバム発売直後には、シンガーのケリスが、同アルバムに収録されている楽曲「Energy(エナジー)」に、自身のヒット曲「Milkshake(ミルクシェイク)」が無断で使用されたと告発。この件では、ビヨンセ側が「Milkshake」をサンプリングした部分を削除するという対応を取った

画像: 相次ぐ『Renaissance』のクレジット問題

 しかし、ここへ来て再びサンプリングした楽曲について問題が発生。

ライト・セッド・フレッドが無断使用を訴える

 ビヨンセは楽曲「Alien Superstar(エイリアン・スーパースター)」の曲中に、イギリスのバンドであるライト・セッド・フレッドが1991年にリリースしてヒットした楽曲「I'm Too Sexy」を使用。

 当然のことながら、ビヨンセ側が楽曲を使用することは、ライト・セッド・フレッドに許可をもらっていたと思いきや、これに関して、ライト・セッド・フレッド側が使用許可を得ていなかったと英The Sunに明かした。

 これまで、テイラー・スウィフトやドレイクに楽曲の使用許可を出してきたライト・セッド・フレッドは、「私たちのメロディーを使うには私たちの許可が必要です。彼らが私たちにデモを送ってきて、私たちがそれを承諾するという形になる。そうなった場合は私たちは共同作曲のクレジットを得ます。ビヨンセの場合は22人のライターがいるというばかばかしい状況だから、我々が得るのは40ペンス(約65円)くらいですね」とコメント。

画像: ライト・セッド・フレッドが無断使用を訴える

 さらにライト・セッド・フレッドは、「私たちはそれを止めることができません。私たちにできることは何もない。最悪ですよ」とし、「私たちよりもはるかに存在感があり、権力もお金もある人と話をすることになるのです。そして、それはうまくいかないだろう。放っておくのが一番。うまくやらなければ、人生は過去を見て後悔するばかりです。私たちはずっと前を向き続けます」と語った。

ビヨンセ側が反撃

 このライト・セッド・フレッドの発言に、普段は黙っていることが多いビヨンセ側が珍しく反撃。

画像: ビヨンセ側が反撃

 ビヨンセ側は「ビヨンセが『エイリアン・スーパースター』で「I'm Too Sexy」を無断で使用したとするライト・セイド・フレッドのコメントは誤りであり、信じられないほど軽蔑に値するものです。使用許可が出ただけでなく、彼らはアルバムに収録されたことへの感謝を公の場で語っています。彼らの曲は、音源の使用はなく、曲のコンポジション(構成)だけを利用しました。2022年5月11日に(曲の権利を持つ)パブリッシャーに許諾を求め、6月15日にパブリッシャーから許諾を得ました。そして2022年8月に使用料を支払いました。さらに、「I'm Too Sexy」の利用に関して、ライト・セイド・フレッドのライターの著作権割合はコンポジションにおける相当の部分を占めています。ライト・セイド・フレッドのライターたち全員を合わせると、他のどの作家よりも多く(著作権割合を)所有しており、共同作家のクレジットを有しています。この非難は間違いです」と許諾を得た具体的な日にちまで出したうえでPitchforkに声明を出し、ライト・セッド・フレッド側の主張をことごとく否定した。

 散々ビヨンセ側をディスったにもかかわらず、具体的な日にちなどを出されるとライト・セッド・フレッド側はだんまり。まさに特大ブーメランを食らったとはこのことだった。(フロントロウ編集部)

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