キャリー・マリガンが、産後うつになっていたことを明かした。その助けとなったのは、周囲のサポートと仕事復帰。(フロントロウ編集部)

キャリー・マリガンが産後うつを経験

 映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』や『わたしを離さないで』などで知られるキャリー・マリガンは、2015年に第1子を出産。その後、産後うつになっていたことを米Vanity Fairのインタビューで明かした。

 産後うつは、日本においては日本産婦人科医会によると10%~15%の女性がかかっており、アメリカにおいては米国心理学会によると7人に1人がかかっているもの。

 症状や程度は人それぞれで、ベストな対応も異なってくるものの、キャリーにとって良かったのは仕事に復帰することだったという。

 「すべてをキャンセルするか、やってみるかしかなかった。そして他の物事、周囲の人達の助けやサポートとの兼ね合いもあり、それは私の光でした。ミーガンと私はそれについても話して、何を乗り越えてきたかを共有したんです。それは多くの女性たちも乗り越えてきたものです」

画像: キャリーと夫のマーカス・マムフォード。

キャリーと夫のマーカス・マムフォード。

 キャリーが話したとおり、周囲のサポートがあれば、子どもと離れて仕事をすることは健康な精神状態のために役立つよう。一方で、育児、家事、仕事すべてを女性1人が担うことは、理論的に考えて不可能に近い。日本産婦人科医会は、産後うつの原因の可能性として、「うつ病の既往の他、パートナーからのサポート不足など育児環境要因による影響も大きいとされています」としており、注意が必要。

MeToo映画の撮影で生まれたシスターフッド

 キャリーの話に名前が出たミーガンというのは、ジャーナリストのミーガン・トゥーイーのことで、キャリーは最新作『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』でミーガンを演じた。本作は世界を変えた報道である超大物映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインによる何十年にもわたる性的暴行事件を追ったジャーナリスト2人の闘いを描く作品。

 しかしキャリーは、ジャーナリストとしてのミーガンだけでなく、1人の人間・女性としてのミーガンを深く表現した。そのなかで、産後うつや、その後の職場復帰の経験も役に立ったよう。ミーガンはVanity Fairで、「彼女は私と一緒にとても多くの時間を過ごしてくれて、私や家族について知ってくれたと感じています。私っぽいことを表現するのではなく、私の人生における本当に個人的で、困難な時を、非常に正確に、そして敬意を払った方法で表現できるように」と話し、キャリーを称賛した。

画像: キャリー・マリガン(左)とゾーイ・カザン(右)。

キャリー・マリガン(左)とゾーイ・カザン(右)。

 また、もう1人のジャーナリストであるジョディ・カンターを演じたゾーイ・カザンにとっても、子どもを持ちながら働くという経験は、ジョディとの共通点だったそう。

 「私たちの娘はプレスクールに通い始めるところで、2人の親は国の別々のところにいて、17時間労働の日々でした。そして私とジョディの間には、目には見えないけれども、仕事に行くことを可能にしてくれるたくさんのことがあるのだということを感じました」

 女性に対する性暴力の多さや深刻さ、そして社会がそれをどう許してきたかを鋭く、熱く報道したジャーナリストたち。彼女たちを描く作品の制作現場でも、シスターフッドが生まれていた。

 『シー・セッド』は、日本では2023年1月13日に劇場公開される。

(フロントロウ編集部)

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