Amazonプライム・ビデオによる『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』を手がけたショーランナーが、シーズン1を通して学んだこととは?(フロントロウ編集部)

『力の指輪』の反省点

 Amazonプライム・ビデオのドラマ『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』のシーズン1が、ついに完結。すでにシーズン2の撮影はスタートしており、ファンの間ではシーズン1終了の満足感と、次回作への期待が高まっている。

 歴史に名を残すJ・R・R・トールキンによる小説を原作とし、ピーター・ジャクソン監督による3部作の大ヒットの後に続くのは、非常に高いハードルだったはず。しかし本作は高評価を受けており、ショーランナーのジョン・D・ペインとパトリック・マッケイなど、制作陣の努力が実ったといえる。

 しかし、物事に反省はつきもの。2人にも、今回のプロジェクトで上手くいかなかったと思っていることはあるそうで、米THRに明かしている。

 「私たちが得た最も大きな学びの1つは、それが小さなシーンであっても、大きな展開に繋がらなければいけないということです」

 そして、ジョンの発言を聞いたパトリックはこうつけ加えた。

 「もっと小さな規模のドラマにおいてだったら上手くいっていたかもしれないけど、本作のシーズン1では上手く機能しなかったこともあります。これは善悪と世界の運命についてであるべきで、そうでなければトールキン作品を見る時に求める壮大な感覚が生まれないのです」

 本作はトールキン原作の作品であり、テレビドラマ史上最高額の予算が投じられたと言われているので、視聴者を雄大なファンタジーの旅に連れて行く作品であるべきなのは事実。

 パトリックはフロントロウのインタビューで、「2時間構成の長編映画は最初と最後の物語が決まっています。今回のような1時間ごとのエピソードはまったく異なる構造で、あらゆる新しいアプローチの仕方やストーリーの紡ぎ方が可能です。数え方にもよりますが、劇中には5つか6つの世界があります。ある世界から別の世界へと自由に行き来できることは、作家としての新しい遊び場のようなものでした」と、大作ドラマの制作について語っていたが、困難もあったのだった。

 本作は映画でなく「ドラマ」であり、「ストリーミングサービス配信作品」であることは、住宅の環境の中、家庭用テレビやPCディスプレイで見られることを意味するため、それもまた制作陣のクリエイティビティに対する挑戦かもしれない。

 ちなみにパトリックは、作品の成功を興行収入や視聴者数で計ってはいないようで、「成功を計るものは何かと話す時に、私たちにとって問題となるのは、人々が作品を深堀りして、それについて議論するぐらいのエンターテイメントであるかということです」とコメント。『力の指輪』は多様なキャスティングを発端に、トールキン世界の解釈や、その時代背景、トールキンの意思の分析といったことへ繋がったため、成功したと言えるはず。

 現在制作中のシーズン2について、彼は「より大きく、より良く」と話して熱意を感じさせた。

(フロントロウ編集部)

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