クリストファー・ロイドとデロリアンの絆
1作目の公開から約40年が経っても多くの人々から愛される映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。本作は4作目の制作が望まれてきたが、脚本家のボブ・ゲイルは「リメイクを作ったことによって人々に『マジかよ。あいつらはシリーズをダメにした』と言ってほしくない」との思いから、確固として続編にノーと言い続けてきた。
しかし新作として「ミュージカルなら」と考え、彼が脚本に参加し、ロバート・ゼメキス監督もクリエイターとして加わったミュージカル『Back to the Future The Musical』は、2021年にイギリスのロンドンで公開され、英国で最も権威あるアワードの1つであるローレンス・オリヴィエ賞の最優秀新作ミュージカルを受賞。そんなヒットを受けて、2023年にはアメリカのブロードウェイでも上演されることが決定。
そして、その予告編で、車のデロリアンを使ってタイムマシンを開発したドクことエメット・ブラウン博士を映画で演じたクリストファー・ロイドが、デロリアンと再会した!
映像の最初に登場したのは、ミュージカル版でドクを演じたロジャー・バート。彼はアメリカ版でも同役で続投することが決まっているが、デロリアンには懐疑的なのか、「中古車?」と言って車体をコンコンと拳で叩く。そしてその後に彼が「これは本当に時速88マイルになるのか?」と聞く先には…、クリストファーの姿が!
彼はニヤッとした笑顔で「信用してくれ」と答え、デロリアンがタイムトラベルできるスピードの時速88マイルは出ると話す。それを聞いたロジャーはデロリアンに乗り込み、アメリカでミュージカルが上演される劇場のウィンター・ガーデン・シアターに行くと話し、「すぐ戻るよ」と言うのだが、クリストファーは「それはどうかな」と答えるのだった。
これがミュージカル用のものだとはいえ、ドクとデロリアンの再会は胸アツ! そして彼が今でもデロリアンを信頼している様子もファンの心をくすぐる。
ミュージカルには、映画版の作曲家であるアラン・シルヴェストリも制作で参加。脚本家のボブは、ファン心理を「みんなが、『「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART4」が見たい』と言う時、みんなが本当に言いたいのは、『初めてそれを見た時のように感じさせてくれる「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の映画が見たい』ということだろう」と鋭く分析しており、そのうえで本作を映画ファンも満足させる出来へと完成させた。
ちなみにクリストファーは、2021年に米ディスカバリーチャンネルの特別番組『Expedition: Back to the Future(原題)』で、映画の撮影に使用された7台のデロリアンを探す旅をしている。
(フロントロウ編集部)