※この記事には、映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』のネタバレが含まれます。
『ハリポタ』ドビーの聖地で注意喚起
世代、国、性別などすべてを超えて愛される映画『ハリー・ポッター』シリーズの魅力には、劇中に登場する多くの愛されキャラクターの存在が1つにある。そのなかでも、“最初はちょっとウザかったけど、今はもう大好き…”な気分にさせたキャラクターといえば、屋敷しもべの妖精ドビー。
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』で初登場したドビーは、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』で命を落とした。そして彼の死のシーンの舞台は、ウェールズにあるビーチのフレッシュウォーター・ウェストで、ここには実際にドビーの記念碑も存在する。
美しいビーチであるため、元々観光で訪れる人はいたものの、ここ10年ではドビーのお墓がある場所として世界中からポッタリアンが脚を運んでいる。そのため、問題も起こっている。ビーチを管理する環境・建築物の保護団体ナショナル・トラストは、「訪問者数はキャパシティを超えることも多く、駐車場利用者だけでも毎年約7万5,000人を迎えています。多くの人に訪れたいと思っていただいていることは光栄ですが、繊細なビーチの自然や自然環境に影響を及ぼすエリアの人口と、施設な周辺道路への圧迫のバランスを取らなくてはいけません」と発表。
そして、『ハリー・ポッター』ファンなら、この記念碑の周辺で問題になっている“物”がなんなのかは想像がつくはず。それは靴下。劇中で重要なアイテムとなり、ドビーの自由の証ともいえる靴下を贈り物として記念碑周辺に置いていく人が多いのだが、酷な言い方をすれば、置いていかれた靴下はゴミと同じ。
トラストは8カ月にわたる協議を行ない、そのなかではドビーの記念碑を取り除く可能性についても検討されたようだが、嬉しいことに、それは実行しないという。しかし、記念碑周辺に何かを置いていくのは止めるよう注意喚起をはかった。
「協議の結果フレッシュウォーター・ウェストにあるドビーのメモリアルは、当面の間は人々が楽しむために保持されます。トラストは旅行客に、自然の景観を守るためにメモリアル周辺のみで写真を撮ることをお願いします。靴下や小物、ペイントされた小石の欠片などは海洋環境や食物連鎖に入り込み、野性生物を危険にさらします」
ドビーへの思いから行動したいのは理解できるが、実際に生きている環境の保護は重要。溢れる思いはマナーを守ったうえで伝えよう。
(フロントロウ編集部)