今年3月に開催されたアカデミー賞授賞式で、コメディアンのクリス・ロックをビンタして波紋を呼んだ俳優のウィル・スミスがトーク番組に出演し、自らの口で騒動について語った。(フロントロウ編集部)

ウィル・スミスがアカデミー賞授賞式でのビンタ事件について語る

 今年3月に開催されたアカデミー賞授賞式でビンタ事件を起こして波紋を呼んだ俳優のウィル・スミスが、人気コメディアンのトレバー・ノアが司会を務めるトーク番組『The Daily Show(原題)』で騒動を振り返った。

 ご存じの方も多いと思うが、授賞式にプレゼンターとして登場したコメディアンのクリス・ロックがウィルの妻ジェイダ・ピンケット・スミスの坊主頭をジョークにするひと幕があり、そのことに激怒したウィルが、突如、壇上にあがってクリスをビンタするという事件が起きた。それでもなおウィルの怒りは収まらず、Fワードと呼ばれる放送禁止用語を使ってクリスを罵り、アメリカではその瞬間だけ無音で放送された。

画像: ウィル・スミスがアカデミー賞授賞式でのビンタ事件について語る

 じつは、ジェイダは脱毛症に悩まされており、それが理由で2021年から坊主頭にしている。その事実をクリスが知っていたかどうかは不明だが、米TMZは、“クリスはジェイダが脱毛症であることを知らなかった”と伝えている。

 その後、ウィルは騒動の責任を取って、アカデミー賞を主催するハリウッドの映画芸術科学アカデミーを退会。さらに、映画芸術科学アカデミーはウィルに対し、この先10年間、アカデミー賞授賞式を含む同団体主催のイベントへの出入りを禁止することを発表した。

 騒動後初となるトーク番組出演で、「姿を消してました」「(自分がいなかったあいだ)皆さんは何をしていたんですか?」など、ジョークを飛ばして笑いをとったウィルだったが、ビンタ騒動の話になると一転、神妙な面持ちでこう語った。

 「ご想像のとおり、あれは恐ろしい夜でした。その背景には微妙な差異や複雑な事情がありますが、結局のところ、私は自分を見失いました。あの晩、私は何かを抱えていました。だからといって、私の行動が正当化されるわけではありません。ただ、色々あったんです。父親が母親を殴るのを見た幼い子どものような感覚でした。その瞬間、(自分の中に)すべてが湧き上がってきました。それは私がなりたい自分の姿ではありませんでした」

 続けて、「あの経験から私が学んだことは何でしょう?我々はお互いに親切にしなければならないということです。そして、それはとても難しいことです。一番辛かったのは、自分の大変さを棚に上げて、他の人に大変な思いをさせてしまったことです。よく“傷つけられた人は人を傷つける”と言いますが、それがちょっとわかったような気がします」と言うと、どんな理由や事情があろうと「自分の行動を正当化するものは一切ない」と強く自分を戒めた。(フロントロウ編集部)

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