スカーレット・ヨハンソン、“セクシーで魅力的な女性”は作られたイメージ
『ロスト・イン・トランスレーション』や『真珠の耳飾りの少女』、『マッチポイント』でゴールデン・グローブ賞にノミネートされた俳優のスカーレット・ヨハンソンが、キャリアの初期に“ボムシェル(※)”になるように仕立てられ、つねに男性の欲望の対象を演じていることに気づいたとポッドキャスト『Table for Two With Bruce Bozzi (原題)』で語った。
※とても魅力的でセクシーな女性を表す俗語。
なお、スカーレットがハリウッドのハイパーセクシャライゼーション(※)について問題提起をするのは、今回が初めてではない。最近は強くて自立した女性というイメージが定着しているスカーレットだが、昔はセックスシンボルとして扱われ、エレベーターの中でセックスしたという嘘を拡散されたこともある。
※誰かを性的なモノとして描くこと。女性・少女が対象となることが主。
「『ロスト・イン・トランスレーション』や『真珠の耳飾りの少女』に出演しましたが、その時点で私は18、19歳で、女性としての魅力やセクシャリティを学びつつある時期でした。そして、私はいわゆる“ボムシェル”タイプの俳優になるように仕立てられていたんです。欲望の対象となるもうひとりの女性を演じていて、ふと気がつくと、(ボムシェルという)一角に追い詰められていたんです。そこから抜け出すことができませんでした。そのような状況にある人に向かって、『これはうまくいっている』と言うのは簡単なことでしょう。でも、ボムシェルが放つ輝きは一瞬で、すぐに燃え尽きてしまいます。その先にそれ以上のチャンスはないのです。どうしてこんなに早く燃え尽きるんだろう?と感じました。それはとても興味深く、奇妙な難問でした。しかし、熱心に仕事に取り組み、さまざまなプロジェクトに挑戦し、自分の居場所を確保することに専念した結果、(努力が)実を結びました」
スカーレットによると、『アイアンマン2』で演じたブラック・ウィドウも、最初は「未発達で過剰に性的なキャラクター」として描かれていたそうで、ジョン・ファヴロー監督やマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長と協力して、より進歩的なキャラクターに作り直したことを明かすと、続けて「(今でこそマーベルのスーパーヒーロー映画はひとつのジャンルとしてその地位を確立しているが)当時はそのジャンルは今のようなものではありませんでした。でも、彼らがもっと大きなビジョンを持っていることはわかっていました。ロバート・ダウニーを起用した初代『アイアンマン』は、前代未聞のセンセーションを巻き起こしました」と、マーベル作品の発展のためにもブラックウィドウの描かれ方を見直すことは必要だったと強調した。(フロントロウ編集部)