Photo:©️2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.,ゲッティイメージズ,フロントロウ編集部
2009年に映画業界のマーケティングに革命を起こした『アバター』が、13年ぶりとなる世界待望の続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』で「#アバ体験」を展開している。エディターがシンガポールで現地取材した没入型のウォークスルーイベント「アバター:ザ・エクスペリエンス(Avatar: The Experience)」のレポートを交えながら、新作で体験できる「#アバ体験」を紹介する。(フロントロウ編集部)

2009年に『アバター』が起こした“体験革命”

 歴史に残る大ヒット作となったジェームズ・キャメロン監督作『アバター』の13年ぶりとなる続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が、ついに12月16日より全国公開された。20世紀スタジオは同作のキャンペーンにあたって「#アバ体験」というハッシュタグを用いており、ツイッターなどのSNSには同作を観たユーザーからの感想がハッシュタグと共に続々と寄せられている。

画像: (左から右に)プロデューサーのジョー・ランドー、ジェイク・サリー役のサム・ワーシントン、ネイティリ役のゾーイ・サルダナ、ジェームズ・キャメロン監督、キリ役のシガニー・ウィーバー、クオリッチ役のスティーヴン・ラングが来日した『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のジャパンプレミアでは、ゲスト全員で「アバ体験!」と声を揃える場面も。 ©️2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

(左から右に)プロデューサーのジョー・ランドー、ジェイク・サリー役のサム・ワーシントン、ネイティリ役のゾーイ・サルダナ、ジェームズ・キャメロン監督、キリ役のシガニー・ウィーバー、クオリッチ役のスティーヴン・ラングが来日した『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のジャパンプレミアでは、ゲスト全員で「アバ体験!」と声を揃える場面も。

©️2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 『アバター』と「体験」を掛け合わせた「#アバ体験」だが、このハッシュタグは単なる言葉遊びで作り出されたものではない。2009年に1作目『アバター』を鑑賞した方であれば、『アバター』を鑑賞することが、映画を超えた“体験”のようなものだったことを覚えているはず。同じくジェームズ・キャメロン監督が手がけた名作『タイタニック』や、MCU映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』という超大作を抑えて、2022年の今なお世界の歴代興行収入で1位に君臨している『アバター』。

 3Dがまだそれほど普及していなかった当時に公開された同作は、公開前のマーケティングの段階で“革命的”だったと評価されてきた。キャメロン監督はまず、当時革新的だった映像技術を用いて撮影された『アバター』を広めるにあたって、公開の4ヶ月前だった2009年8月21日を「アバター・デイ(Avatar Day)」として設定。世界中の映画館で、16分の本編映像を流すという施策を行なって、まずはその映像美から観客の心を掴んだ。

画像: (左から右に)『アバター』をプロモーションするため、2009年7月に行なわれたサンディエゴ・コミコンに出席したジェームズ・キャメロン監督、シガニー・ウィーバー、スティーヴン・ラング、ゾーイ・サルダナ。

(左から右に)『アバター』をプロモーションするため、2009年7月に行なわれたサンディエゴ・コミコンに出席したジェームズ・キャメロン監督、シガニー・ウィーバー、スティーヴン・ラング、ゾーイ・サルダナ。

 「アバター・デイ」に行なわれた施策はそれだけではない。この日には、ゲーム会社のUbisoftが『アバター』の世界観に基づいたゲーム『アバター THE GAME』のトレーラー映像を公開したほか、バービー人形で知られる玩具メーカーのマテル社も『アバター』のキャラクターたちの人形を発表。さらには、公式サイト上には、自分でカメラを操作して好きな角度から3Dカメラで撮影された映像を観ることができるという、文字通り“体験型のトレーラー”も登場した。

 ここ日本でも大ヒットした映画『トップガン マーヴェリック』が公開に先立ってシネマコンで13分の本編映像を公開したように、今でこそ『アバター』が当時行なったマーケティング手法を採用している作品も多いが、当時は革新的な手法。3Dで先行上映することで、3Dに対する映画ファンのイメージを変えたとも言われており、様々な点において『アバター』のマーケティングは映画界に革命を起こすこととなった。

 このようにして、その世界観を体験として様々な形で公開することで、公開に先立って“どんな世界観で展開されるどんな作品か?”ということを印象付けることに成功した『アバター』。最終的には歴代興行収入の記録を更新することとなった『アバター』だが、これは、まずはその世界観を“体験”として経験したファンが実際に映画館へと足へ運んだことが、その第一歩となったのだった。

シンガポールで「アバター:ザ・エクスペリエンス」を体験

 当時は革新的だった3Dの最新技術が使われた没入感のある映像美を含めて、『アバター』とは究極の“体験”だったのだと、エディターが改めて思い出すこととなったのが、ディズニーのコンテンツショーケースを取材したその足で、シンガポールにある国立公園ガーデンズ・バイ・ザ・ベイにて開催中の「アバター:ザ・エクスペリエンス(Avatar: The Experience)」を取材した時だった。

画像: シンガポールの人気観光エリアであるマリーナベイ・ウォーターフロントに位置するガーデンズ・バイ・ザ・ベイ。近くにはシンガポールを象徴するホテルであるマリーナベイ・サンズも。

シンガポールの人気観光エリアであるマリーナベイ・ウォーターフロントに位置するガーデンズ・バイ・ザ・ベイ。近くにはシンガポールを象徴するホテルであるマリーナベイ・サンズも。

画像: シンガポールで「アバター:ザ・エクスペリエンス」を体験

 「アバター:ザ・エクスペリエンス」は、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイにて2022年10月28日から2023年3月31日まで開催中の没入型のウォークスルーイベント。『アバター』の美しさとユニークなストーリー展開にインスパイアされた、地上のパンドラを発見するというコンセプトのもと、5つのゾーンで、生物発光の環境、神秘的な生き物、植物など、臨場感あふれる印象的なコンテンツを楽しむことができる。

画像: 「アバター:ザ・エクスペリエンス」に足を踏み入れるとすぐに、最初のエリア“Cloud Forest”にてパンドラに生息するイクランことバンシーがお出迎え。背景に見えるのは、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイを象徴する、約30メートルの高さがある滝。

「アバター:ザ・エクスペリエンス」に足を踏み入れるとすぐに、最初のエリア“Cloud Forest”にてパンドラに生息するイクランことバンシーがお出迎え。背景に見えるのは、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイを象徴する、約30メートルの高さがある滝。

画像: 同じエリアには、青い色をした猿のような生物であるシャクシュクことプロレムリスの姿も。

同じエリアには、青い色をした猿のような生物であるシャクシュクことプロレムリスの姿も。

画像: 手をかざすと生物を発光させられるというインタラクティブな仕掛けも。

手をかざすと生物を発光させられるというインタラクティブな仕掛けも。

画像: もちろん、地球では見ることができないパンドラの植物もここでは見ることができる。

もちろん、地球では見ることができないパンドラの植物もここでは見ることができる。

公開前から『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のストーリーを先取り

画像: 当然、ナヴィたちにも出会うことができるのだが、そこはさすが“体験先行型”の『アバター』。ここでは、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の公開に先立って、新作で初登場するジェイクとサリーの子どもたちとも出会うことができた。

当然、ナヴィたちにも出会うことができるのだが、そこはさすが“体験先行型”の『アバター』。ここでは、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の公開に先立って、新作で初登場するジェイクとサリーの子どもたちとも出会うことができた。

画像: アングツィクことハンマーヘッド・ティタノテリウムは今にもこちらに突進してきそうな迫力。この前で記念撮影をする来場者も多かった。

アングツィクことハンマーヘッド・ティタノテリウムは今にもこちらに突進してきそうな迫力。この前で記念撮影をする来場者も多かった。

画像: 自分の影にナヴィの尻尾を生やして遊べるアトラクションも。

自分の影にナヴィの尻尾を生やして遊べるアトラクションも。

画像: 続いてガーデンズ・バイ・ザ・ベイの名物である螺旋階段へ。この時には、窓の外にマリーナベイ・サンズを望むこともできた。

続いてガーデンズ・バイ・ザ・ベイの名物である螺旋階段へ。この時には、窓の外にマリーナベイ・サンズを望むこともできた。

画像: 螺旋階段を楽しんだ後で再びパンドラの世界へと戻ってきた来場者を歓迎してくれるのは、入り口で出会ったのよりも巨大なバンシー。

螺旋階段を楽しんだ後で再びパンドラの世界へと戻ってきた来場者を歓迎してくれるのは、入り口で出会ったのよりも巨大なバンシー。

画像: 『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』からは、予告編でもその姿を観ることができる、初めて登場する水中生物であるイルにも、ここで出会うことができる。ちなみに、イルについてはマクファーレン・トイズ社が発売したフィギュアとジオラマのシリーズ<ワールド・オブ・パンドラ>でも、既にフィギュアとして発売されており、こちらも“体験型”の施策の1つと言えるかもしれない。

『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』からは、予告編でもその姿を観ることができる、初めて登場する水中生物であるイルにも、ここで出会うことができる。ちなみに、イルについてはマクファーレン・トイズ社が発売したフィギュアとジオラマのシリーズ<ワールド・オブ・パンドラ>でも、既にフィギュアとして発売されており、こちらも“体験型”の施策の1つと言えるかもしれない。

画像: 「アバター:ザ・エクスペリエンス」のフィナーレを飾るのは、こちらも体験型のアトラクション。床を歩きながら、パンドラの世界観を体感できるというものになっている。

「アバター:ザ・エクスペリエンス」のフィナーレを飾るのは、こちらも体験型のアトラクション。床を歩きながら、パンドラの世界観を体感できるというものになっている。

画像: 最後のエリアには巨大スクリーンが展示されており、聖なる木の精が来場者を祝福してくれる。

最後のエリアには巨大スクリーンが展示されており、聖なる木の精が来場者を祝福してくれる。

 「アバター:ザ・エクスペリエンス」のウォークスルーを抜けると、最後にはオフィシャルショップが。もちろんここには、ぬいぐるみやTシャツ、そしてカチューシャまで、ここでしか買うことのできないオリジナルグッズも豊富に揃っているので、訪れた際には絶対にチェックしてほしい。

画像1: 公開前から『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のストーリーを先取り
画像2: 公開前から『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のストーリーを先取り

屋外の「#アバ体験」イベント<アバター・ブルー>が日本で開催中

 シンガポールでの「アバター:ザ・エクスペリエンス」は2023年3月31日まで開催されているので、シンガポールへ行く機会があればぜひ足を運んでいただきたいが、屋外で「#アバ体験」ができる没入型のイベントは、ここ日本でも開催中。

 日本では、東京・六本木ヒルズ&毛利庭園と、兵庫の神戸ウォーターフロントにて<アバター・ブルー>と銘打たれたプロジェクトが開催中。毛利庭園イルミネーションでは、ナヴィのネイチャーアートと庭園にそびえ立つクスノキへのネイチャープロジェクションが設置。ネイチャーアートは既に11月18日から毛利庭園に設置されており、ネイチャープロジェクションは12月10日から開始。さらに12月13日からは、六本木のシンボルメディア「メトロハット」もアバターデザインになっており、共に12月25日のクリスマスまで<アバター・ブルー>に染まった六本木のライトアップが楽しめる。

 一方、神戸のランドマークである神戸ポートタワーでは、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の映像を映し出すプロジェクション・マッピングが12月1日からスタート。プロジェクション・マッピングと同時に神戸メリケンパークの照明と噴水、特徴的な白い大屋根で有名な神戸海洋博物館も、美しい海をイメージした<アバター・ブルー>で幻想的にライトアップされ、さらに、物語の鍵を握る14歳の少女キリのフラッグも各所に掲げられている。

画像: 東京・六本木ヒルズ&毛利庭園(写真右上)と兵庫・神戸ウォーターフロントにて<アバター・ブルー>プロジェクトが開催中。 © 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

東京・六本木ヒルズ&毛利庭園(写真右上)と兵庫・神戸ウォーターフロントにて<アバター・ブルー>プロジェクトが開催中。

© 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

環境問題の改善に参加できる「Keep Our Ocean Amazing(わたしたちの素晴らしい海を未来に残そう)」キャンペーンも 

 そして、前作をご覧になった方はお分かりだと思うが、『アバター』が描いた大きなテーマの1つは環境問題であり、それは『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』も同じ。本作を鑑賞した後には、自分自身も環境問題の改善に一役買いたいと思うファンも多いだろうが、そんなファンのために、「Keep Our Ocean Amazing(わたしたちの素晴らしい海を未来に残そう)」と銘打ったキャンペーンも行なわれている。

画像1: © 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
© 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 このキャンペーンは、自然保護団体ネイチャー・コンサーバンシー(TNC)が掲げる、10種類の素晴らしい海洋生物とその生息地の保護活動を支援することを目的とし、TNCへ最大100万ドル(約1億3,500万円)の寄付を目指す参加型のもの。オンラインで「アバター」をモチーフにした自分だけの海のクリーチャーを作ると、1体につき5ドルがTNCへ寄付されるという仕組みとなっている。

 今回は特に、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』はパンドラの海洋生物とも共通点をもつベルーガ、シロナガスクジラ、ジンベイザメ、タイマイ、マナティー、マンタ、ブダイ、スタグホーンコーラル、アシカ、マングローブ(多くの海洋生物にとって大切な住処)の10種類の危機に瀕する生物にフィーチャーし、2030年までに海洋生物の10%を保護するというTNCの目標達成を支援する。

 そして12月8日には、沖縄美ら海水族館にて、芸能界屈指の生き物好きとして知られる芸人・ココリコの田中直樹らを講師として、海洋生物を紹介する特別講座が開催。招待された地元の小学生90名とともに、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の世界観に触れながら、「Keep Our Ocean Amazing(わたしたちの素晴らしい海を未来に残そう)」の活動意義について学ぶ、対談形式の講座が行なわれた。

画像2: © 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
© 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 このように、公開前から様々な“体験型”のキャンペーンが行なわれてきた『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』。もちろん、究極の「#アバ体験」は同作を鑑賞することではあるが、屋外での展示に思わず足を運びたくなるのも、映画の観賞後に環境問題に一石を投じたくなるのも、映画が究極なまでに没入感のある仕上がりになっているからこそ。映画とキャンペーンのどちらを先に体験するかは自由だが、ぜひあらゆる「#アバ体験」に触れて、巨匠ジェームズ・キャメロンが創り上げたパンドラという世界を心ゆくまで体験してほしい。(フロントロウ編集部)

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