甘く温かな香りの「バニラ系フレグランス」が人気再燃
幸福感にあふれた気分になれる、甘く温かなバニラの香り。フレグランスのなかでも性別や年齢を問わず高い人気を誇り、とくに1990年代~2000年代においては、フレグランスといえば「バニラ系」とされるほど一大ブームを巻き起こした。
そんな甘いバニラ系のフレグランスが再びトレンドに浮上。2000年代のファッションやカルチャーを指す単語「Y2K(Year 2 Thoousand)」がZ世代を中心に注目を集めていることもあり、当時大流行していたバニラ系フレグランスの人気も高まっているそう。
また、Firmenich社のシニア調香師ガブリエラ・チェラリュー氏によると、バニラ系フレグランスが人気を集めるもうひとつの要因は、コロナ禍の影響。
チェラリュー氏は、「バニラは昔から人気がありましたが、コロナ禍の影響で、今まで以上に多くの人が香りに興味を持つようになりました。そしてその多くが、バニラの香りに結びついた懐かしい感情や瞬間に関係していると思います」と米Bustleでコメント。ストレスや疲れを癒してくれる心地よい香りとして、バニラ系のフレグランスを求める人が増えたと明かした。
今回はそんな人気が再燃しているバニラ系フレグランスのなかでも、ただ甘いだけでない、深みのある人気のフレグランスを大特集。現代の人にふさわしく進化したバニラの香りを堪能してみて。
リブレ オーデパルファム
イヴ・サンローランの「リブレ オーデパルファム」は、マスキュリンなラベンダー、フェミニンなオレンジブロッサムの衝突により生まれた自由でアイコニックな香り。いぶされたバニラと艶やかなムスクがラストに甘い余韻を残す。
アイリッシュ バイ ビリー・アイリッシュ オードパルファム
シンガーのビリー・アイリッシュがプロデュースした香水「アイリッシュ バイ ビリー・アイリッシュ オードパルファム」は、心の深くにある感情や記憶を呼び覚ましてくれる香り。甘いシュガーペタルから、繊細なクリーミーバニラの香りへとやさしく変化し、ラストはまるでランジェリーを纏っているような肌馴染みのいいスリークウッドがふんわりと包み込む。
バニラ ディオラマ
メゾン クリスチャン ディオール(DIOR)の「バニラ ディオラマ フレグランス」は、クリスチャン・ディオールが愛したデザート「ディオラマ グルマン」にオマージュを捧げた香り。まろやかで豊かなバニラに、ラムとパチョリのアクセントが添えられた温かみのある濃密な調べが、フレッシュなシトラスノートとコントラストを奏で、なめらかなココアノートにより強調される。
ダーティ バニラ
ヘレティック パルファム(Heretic Parfum)の「ダーティ バニラ」は、甘美なバニラの繊細でふくよかな香りのフレグランス。余分なものが入りにくい、より純度の高い香料を抽出する超臨界二酸化炭素抽出で得られたバニラの香りで、アイスクリームのような儚い甘さを楽しめる。
ヴァニーユ アンティーク
バイレード(BYREDO)の「ヴァニーユ アンティーク」は、“夜に纏う”フレグランスとして作られたもの。主役となるバニラビーンズをはじめ、使用する原材料は⾼貴なものを厳選。⼟っぽさを思わす、⽢さを控えたバニラに、温かみのあるカシミアウッド、システ、ムスクが混ざり合い、想像、記憶、欲望を刺激する魅惑的なアロマに仕上げている。
エンジェルズ シェア オード パルファム
キリアン(KILIAN)の「エンジェルズ シェア オード パルファム」は、コニャックの熟成の過程で樽から自然と蒸発する「エンジェルズ シェア(天使の分け前)」から着想を得たフレグランス。コニャックオイルのトップノートに、オーク、シナモン、そしてトンカビーンズがブレンドされたハートノートが広がり、最後にサンダルウッド、プラリネとバニラのかぐわしい香りが余韻を残す。
甘い香りで暖かな雰囲気を演出するバニラ系フレグランス。バニラの香りには緊張やストレスをほぐしてくれたり、幸福感を与えたりする効果も期待できるので、気になる人は要チェック。(フロントロウ編集部)