カート・コバーンの緑のカーディガン、知人の手に渡っていた
1991年にリリースしたアルバム『Nevermind』が大ヒットし、90年代のグランジ、オルタナティヴ・ブームの火付け役となったアメリカの伝説的なロックバンドのニルヴァーナ。とくにフロントマンのカート・コバーンは、絶大な影響力を持っていた。しかし、1994年4月、カートは27歳という若さで死去。
その後カートの私物は続々とオークションに出品されてそれらが高額で落札されてきたが、なかでも、カートと言えば、カーディガンがアイコニックなアイテムとして知られている。とくに、1993年の『MTV Unplugged』出演時に着たグリーンのカーディガンは、当時の写真が死後に多くのメディアで使用されたこともあり、多くの人の記憶に残るアイコニックなアイテム。
この緑のカーディガンは、カートの死後、カートの子どもであるフランシスのベビーシッターだったジャッキー・ファーリーの手に渡っていたそう。そして2019年、このカーディガンがジュリアンズ・オークションに出品された。
タバコによる焼け跡も残った状態、オークションで予想を上回る金額に
カートがパフォーマンス時だけでなく、日常的にも着用していたアイコニックなカーディガンは、ニューヨーク製のアクリル、モヘア、ライクラの混紡カーディガン。そして、5つのボタンのうち1つが紛失しており、左ポケット付近にタバコによるものと見られる焼け穴があり、数か所に変色も見られ、まさにカートが着ていた姿が思い浮かぶような状態。
このカーディガンは、当初最大で30万ドル(現在の為替で約4,000万円)で落札されると予想されていたが、結果はその予想の上を行く33万ドル(現在の為替で約4,400万円)で落札された。
このカーディガンがオークションに出品されるのは2度目のこと。1回目はジャッキー・ファーリーがお金に困ってジュリアンズ・オークションに出品し、今回はその時の落札者であるニルヴァーナのファンが出品。このファンは、カーディガンの売上金で今度はカートが使用していたギターを購入したという。ちなみにカートの死後3人目の所有者となった新しい落札者の素性は非公開となっている。(フロントロウ編集部)