2023年で第80回という節目の年を迎えるゴールデン・グローブ賞で、59年間続く伝統が異例の“実施無し”となった。その背景には、ハリウッドで不穏な注目を集める2つの問題があった。(フロントロウ編集部)
1960年代から続く伝統が初めて途切れる
第80回ゴールデン・グローブ賞は、ゴールデン・グローブ・アンバサダーが不在のまま開催された。ゴールデン・グローブ・アンバサダーとは、式典でトロフィーの贈呈や受賞者の案内をサポートする人のこと。式典前のパーティーでゲストをもてなすといった役割もある。
ゴールデン・グローブ・アンバサダーは1963年に始まった制度で、1971年からはセレブリティの娘や息子が担当することが伝統となった。ローラ・ダーンやフレディ・プリンゼ・Jr.なども元アンバサダーで、メラニー・グリフィスとダコタ・ジョンソンは2世代連続でブレイク前にアンバサダーを務めた。ちなみに以前は、女性の場合はミス・ゴールデン・グローブ、男性の場合はミスター・ゴールデン・グローブと呼ばれていたが、よりインクリーシヴな名称にするために、2018年からはゴールデン・グローブ・アンバサダーと呼ばれている。
1963年にアンバサダー制度が始まってから、式典そのものの通常開催がなかった2008年と2022年を除いて毎年続いていた伝統は、なぜ開催80年という節目の年になくなってしまったのか?
じつは、アンバサダー役を承諾してくれる2世セレブがいなかった可能性がある。