第95回アカデミー賞のノミネーションが発表されて、映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が最多となる10部門11ノミネーションを獲得。主演のミシェル・ヨーがアジア系俳優として初めて主演女優賞にノミネートされた。(フロントロウ編集部)

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が最多ノミネーション

 日本時間3月13日に開催される第95回アカデミー賞のノミネーションが発表されて、映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が作品賞や監督賞などを含む10部門で11のノミネーションを獲得して、今年の最多ノミネーション作品となった。

 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は今年のアカデミー賞で、作品賞、2人の監督であるダニエルズ(ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート)がノミネートされた監督賞と脚本賞、ミシェル・ヨーの主演女優賞、キー・ホイ・クァンの助演男優賞、ジェイミー・リー・カーティスとステファニー・スーの助演女優賞、編集賞、衣装デザイン賞、作曲賞、「THIS IS A LIFE」の主題歌賞の11ノミネーションを獲得した。

ミシェル・ヨーがアカデミー賞主演女優賞ノミネートにコメント

 なかでも、歴史的なノミネーションとなったのが、主人公であるエヴリン・ワンを演じたミシェル・ヨーの主演女優賞へのノミネート。およそ40年のキャリアを持つミシェルにとって初めてのアカデミー賞へのノミネートとなったのみならず、アジア系女性として初めての主演女優賞へのノミネートという快挙となった。

画像: ©️Michelle Yeoh/Instagram
©️Michelle Yeoh/Instagram

 ミシェルは自身が初めてアジア系として主演女優賞にノミネートされたことを伝える米The Hollywood Reporterの写真をインスタグラムに投稿して、ノミネートされたことの喜びを次のように綴った。

 「圧倒されていますし、幸せな気持ちでいっぱいです! この作品に心と魂を注いで取り組んでくれたすべての人たちもそうですし、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』から多くを認めてくれたアカデミー賞に私たち全員が感謝しています。エヴリン・ワンを演じられたことは40年にわたる私のキャリアの中でも大きな特権の1つです。一世一代の役柄なのです。私の存在に気づき、この機会をくれた(2人の監督である)ダニエル・クワンとダニエル・シャイナートに感謝しています。この瞬間を生涯大切にするでしょう」

画像: ミシェル・ヨーがアカデミー賞主演女優賞ノミネートにコメント

 また、米The Hollywood Reporterの取材に応じたミシェルは、アジア人としてようやく主演女優賞にノミネートされたことについて、「長い期間を要しました。これは私1人以上のことだと思います」とコメント。「今この瞬間もそうですし、これまでに何度もアジア人の方々が私のところへ来て、『あなたならできる。私たちのためにやってくれる』と言ってくださいます。『分かっていますよ。その意味を理解しています』と私は返すのですが、彼らはずっと認められてきませんでした。声を聞いてもらえなかったのです」と続けて、自身がノミネートされたことはアジア系女性にとって大きいことだとして、さらに次のように語った。

 「これは、このような形で見てもらうことを望み、テーブルに席が用意されることを望み、『私にも価値がある。私も見てもらう必要がある』と伝えることを望んできた多くの人たちを代表することです」

 ミシェルがノミネートを報告したインスタグラムの投稿には、ジェンマ・チャンがコメントを寄せているほか、シム・リウもいいねでお祝いするなど、アジア系俳優たちからも祝福が寄せられている。

 第95回アカデミー賞授賞式は日本時間3月13日(月)に米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、WOWOWで独占生中継される。(フロントロウ編集部)

※公開後、ジェンマ・チャンについて『シャン・チー/テン・リングスの伝説』で共演したと誤って記載していた箇所を削除しました。

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