※この記事には、映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のネタバレが含まれます。
『スター・ウォーズ』のレイが示したこと
1977年にジョージ・ルーカスが世界に衝撃を与えた映画『スター・ウォーズ』。オリジナル3部作が制作された後、1999年から2005年にかけて前日譚が公開され、2015年から2019年にかけて、オリジナルの時代より後の世界が描かれた。
シークエル3部作ではルーカス監督は制作から離れ、『スター・ウォーズ』を見て育った世代がバトンを継ぎ、登場人物たちも次世代に。ルーク・スカイウォーカーとレイア姫、ハン・ソロはメンター的立場で登場し、年月を感じさせた。
だからこそ、主人公であるレイの正体は観客が気になったところ。最終的に、彼女はパルパティーンの孫であることが明らかになったが、彼女自身はルークとレイア姫の愛情を受け、自分をレイ・スカイウォーカーだと名乗るようになった。多くの観客の心を打ったシーンだが、レイを演じたデイジー・リドリーもまた、この設定は非常に価値のあるものだと思っているという。米Colliderで語った。
「私にとって最後の作品で興味深かったのは、何者でなくてもヒーローになれる、もしくは、宇宙で最悪の血筋でもヒーローになれるということでした。あなたはあなたの親ではない。あなたはあなたの祖父母ではない。あなたはあなたの家系ではない。あなたは、あなたより前の世代ではない」
良くも悪くも、人は出身家庭に大きな影響を受けている。『スター・ウォーズ』の世界はファンタジーだが、レイの強さに励まされる人もいるだろう。また、デイジーのこの思いを聞いたうえで、レイが自分で選んだ家族を大事にしていることを考えると、さらにグッとくるものがある。じつの家族と上手くいかなくても、血の繋がりがない人達と家族になれることもあるのだ。
ちなみに、レイはパルパティーンの孫であるという設定は『スカイウォーカーの夜明け』の撮影中にすら確定しておらず、さらに当初は、レイと繋がりがあるのはオビ=ワンだと仮定されていた時もあった。
オビ=ワンの孫だったらと考えても楽しいが、デイジーの思いを聞けば、パルパティーンの孫で良かったのだろう。とはいえ彼女は、「あなたはなりたい人になれる。でも私は、間違いを直せて、生まれつきのものは仕方ないというバージョンも好きではあります」ともコメントした。
(フロントロウ編集部)