ショーン・メンデスがツアー中止について語る
「Stitches(スティッチズ)」や「In My Blood(イン・マイ・ブラッド)」などのヒット曲で知られるシンガーのショーン・メンデスが、ツアー中止は心の健康のために必要なことだったと米Wall Street Journal のインタビューで語った。
フロントロウでお伝えしたが、メンタルヘルスの問題を抱えていることを公言するショーンは昨年7月、自身のSNSに「パンデミックによる長期休養を経て、ようやくライブ活動を再開できると意気込んで始めたツアーでしたが、休養明けのツアーがこんなに大変だとは思ってもいませんでした。チームと話し合い、素晴らしい医療専門家グループと相談をした結果、これまで個人的に取ってこなかった時間を取り、自分を見つめ直し、より強くなって戻ってくる必要があることが明確になりました。残念ながら、北米とイギリス、ヨーロッパでの残りのツアーはキャンセルしなければなりません」(※一部抜粋)というメッセージを投稿し、ワールドツアーの残りの日程をすべて中止することを発表した。
あれから約半年。自分と向き合う時間を大切にしながら、友人と旅行に出かけたり、家族と一緒に過ごしたり、心の健康を優先した生活を送っているショーンは、「そのプロセスは非常に困難でした。たくさんのセラピーを受けて、自分がどう感じているのか、何がそうさせているのかを理解しようと努めました。そして、自分自身を助け、癒すための作業を行ないました。身近な人たちにちょっとだけ頼ったりもしました」と言うと、「大変な作業でした。でも、この1年半は僕の人生の中で最も目を見張るものがあり、成長と、美しさ、そして癒しのプロセスだったと思います。(僕の決断を)受け入れてくれた人たち、愛情を注いでくれた人たち、優しく寄り添ってくれた人たち、理解してくれた人たちに本当に感謝しています。同時に、メンタルヘルスが優先されるような文化になりつつあることを実感しました」と続けた。
また、ツアーをキャンセルしたのは境界線を設けるためでもあったそうで、「境界線を設けたからといって自分が不親切な人間になるわけではないと理解したことで、僕の人生は大きく変わりました。もちろん、それが簡単なことではないことも理解しています。難しいことです。居心地の悪さを感じることもあります。一瞬、他人を少し不快にさせますが、最終的には、すべての人間関係において非常にパワフルで役に立つことです。境界を決めることは卑屈なことではなく、実はとても大切なことなんです。そして、それはとても親切なことでもあります」と、ちゃんと線引きをすることが成長の過程で大いに役立ったことを明かした。(フロントロウ編集部)