結婚して妻の名字にした男性の思い
イギリスでBBCラジオのプロデューサーとして働くアルは、5年前に小児科の看護師であるフィービーに出会い、付き合うように。2020年に婚約し、1歳半の娘を育てるなか、2023年2月に永遠の愛を誓った。そして結婚の報告とともに、彼がツイッターに綴ったことに祝福の声があがっている。
「先月大きな変化が起こったよ。結婚しただけでなく、タンズリーさんになった!妻の名字になったことで、伝統を覆そうとする小さくも、増加中の男性たちの一員になれたことを誇りに思う」
A big change happened last month. Not only did I get married, I also became Mr Tansley!
— Al Tansley (@allivesley) March 7, 2023
By taking my wife Phoebe's surname, I'm proud to be one of a small but growing number of men choosing to invert tradition. It'll take months, but Twitter seems an easy place to start. pic.twitter.com/YC0Pc5EQ0E
アルとフィービーのカップルは、結婚を機にアルが名字を変えたのだった。フィービーは若い頃に両親を2人とも亡くしており、彼女にとって自分の名字は大事なもの。そしてアルは、「自分の名字にはそう感じていない」ことに気がついたと言い、両親などと家族仲は良いが、「僕たち家族を繋げているのは名前ではありません」と英Mirrorで語る。続けて彼は、これからを生きる娘が、さらに自由に生きられるようになることを願っていると話した。
「多くの女性は結婚した時に、(夫の姓にすることについて)そうしなければならないと感じるでしょう。なので、僕はもう少し先へ行けたらどうだろうと思いました。これは妻への愛と敬意を示す行為です。“僕たちは平等で、君と僕の物語は同じくらい重要である”。それが、僕たち夫婦がこの結婚に求める姿勢です。結婚において多くの物事が家父長制に基づいているので、もし僕がそれを少しでも押し返すことができるのなら、そうしない理由はない。僕たちの娘が大きくなった時には、彼女が自分の決断をできるようになっていると考えたいですね。これは少しだけ物事をそっちの方向にシフトするためのことなんです」
イギリスでも結婚後は夫の名字にする女性が多い
夫婦同姓を法律で義務づけているのは世界で日本のみであるため、イギリスでは別姓のまま結婚したり、2人の名字を1つに組み合わせたり、まずもって結婚しないで関係を築くことは可能。
そういった選択をするカップルも少なくはないが、多くの場合に妻が夫の名字になる。London Mint Officeによる2017年の調査では、妻の名字に変更した男性は10%という結果となった。
一方で、11%のカップルが、2人の名字を組み合わせて1つにしたいと回答。YouGovによる2016年の調査では、女性の14%、男性の12%がそれぞれの名字のままでいるつもりだと答えた。これは、夫婦別姓が認められているからこそ可能な選択。
Deed Poll Officeによると、配偶者の名字と共に自分の名字も残すことにした人は、2020年から2021年という短い期間で30%も増加しているとのことで、この選択は今後主流なものの1つになるかもしれない。
(フロントロウ編集部)