ジャニー喜多川氏から性加害を受けたという少年たちの声を伝えた英BBC記者が、Me Too騒動の中心人物であるハーヴェイ・ワインスタイン被告との比較に言及した。(フロントロウ編集部)

取材でワインスタインやR・ケリーとの比較に言及

 アザー氏は、イギリスでの番組放送に合わせてBBC Newsに出演。そこで司会者に、加害の告発について「日本ではあまり報じられていないですよね?」と質問されると、こう答えた。

 「ほとんど報じられていません。そしてそれこそ、この件で最も驚くべきところだと私は思っています。このドキュメンタリーを観た人は、きっと、(ハーヴェイ・)ワインスタインやR・ケリーなど、歴史的な(性加害)事件と比較するでしょう」

 ハーヴェイ・ワインスタインは多数の女性への性的暴力の罪で、ニューヨークの裁判で禁固23年を、ロサンゼルスの裁判で禁固16年を言い渡された元大物映画プロデューサー。一方のR・ケリーは、多くの子どもや若い女性などをグルーミング(※)して性的に虐待した罪で禁固30年をニューヨークの裁判所に言い渡された人気R&Bシンガー。

※グルーミング:性的虐待を目的に相手に近づき信頼を得ようとする行為。

画像1: 取材でワインスタインやR・ケリーとの比較に言及
画像2: 取材でワインスタインやR・ケリーとの比較に言及

 近年のアメリカを代表する、大物による性的暴力事件とのリンクに言及したアザー氏は、続けて、それらの事件との大きな違いに触れた。

 「この件は、それらの事件と明らかに異なるところがあります。この件は20年ほど前に少しだけ報じられ、それらの告発の一部は名誉棄損裁判の中で(真実であると)支持されたものの、日本の大半のメディアは報道しないという判断をしました。理由は多くありますが、そのひとつとして私が聞いているのが、Johnny & Associatesが(市場を)独占していることです。彼らのタレントやジャニー喜多川のような関係者を批判する報道をしたら反動があります。その反動の内容としては、ボーイズグループへのアクセスが絶たれ、視聴者がそのメディアから離れてしまうというものです」

 そして、Johnny & Associatesと「何かしらのコミュニケーションは取っていますか?」と聞かれたアザー氏は、こう語った。

 「会社側からのコミュニケーションはありません。私が願っていること、私がポジティブな姿勢で見ていることは、ここ数日で、このストーリーが日本で話題になっていることです。そしてそれは、これからも継続されると思っています。これが、国家レベルでの議論に繋がり、サバイバーが少しでも正義を得られることに繋がることを願っています」。

(フロントロウ編集部)

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