費用の負担は企業や学校?それとも行政?
現在Egalは、ニューハンプシャー大学や、バーモント大学、ウィリアムズ・カレッジのほか、マサチューセッツ州やロードアイランド州の一部の学校、さらにはイギリスの私立学校とルワンダの2校など、学校を中心に導入されてきている。そういった場所では、自治体と学校のどちらが負担をしていることが多いのだろうか?
「両方のケースがありますね。 アメリカでは、州によって費用を行政が負担したりしなかったりです」と、フィニーCEO。実際にアメリカでは州によって制度が異なり、現在は、20以上の州とコロンビア特別区が公立学校での生理用品の無料配布を義務化、あるいは資金の用意をしている。
とは言え、フィニーCEOは「やはり、これはトイレットペーパーと同じように考えるべきだと考えています。学校や企業は、何も考えずにトイレットペーパーの費用を支払っていますよね」と、“生理用品をトイレットペーパーのように提供しよう”という理念を繰り返した。
窃盗の心配はしているのだろうか?
フロントロウ編集部が2023年3月3日にツイッターでEgalを初紹介したときに、日本のツイッターで懸念点として挙げる人が多かったのが、商品の窃盗の可能性。それについて、フィニーCEOは心配ないとする。
「トイレットペーパーと同じように、その製品が常にそこにあることを皆さんが分かってくだされば、盗まれることはないと思います。 最初のうちは見たこともないものだから持っていくかもしれませんが、いつもそこにあることが分かると、それもなくなります。 また、ディスペンサーにはロックがかかっているので、1ロール丸ごと持っていかれることもありません。ちなみに、1ロールはトイレットペーパーのようにかなりかさばるので盗みにくいですよ」
また、日本のツイッターでは衛生面を心配する声もあったが、Egalの生理ナプキンはすべて個包装になっているうえ、専用ディスペンサーを使っている場合は引き抜くまでディスペンサーの中に入った状態。トイレットペーパーもむき出しになった常体のものを使うわけだが、個包装になっている分、トイレットペーパーより衛生的と言えるかもしれない。
導入している学校で好反応、生理の貧困対策にも
Egalはもともと、The Boston Globe紙のジャーナリストであるステファニー・エバート氏(Stephanie Ebbert)が執筆した、生理用品に対する平等なアクセスに関する記事に着想を得ている。エルバート氏はこの記事で、生理用品を公共のトイレに置くための地方や国の取り組みを取り上げており、その記事を製品開発のプロである夫のトム・デブリン(Tom Devlin)に見せながら、活動家たちが生理用品をトイレットペーパーと同じように普及させるべきだと考えていると話したという。
このアイディアをもとに、デブリン氏によるEgalの開発が始まった。デブリン氏は当時、ロール状の吸水製品の開発にすでに着手していたそうで、妻の言葉をヒントに、トイレットペーパーのようにロール状の生理用品を開発。そして特許を取り、友人であり、Ask Jeevesの立ち上げメンバーだったペネロペ・フィニー氏(Penelope Finnie)に会社のリードをお願いしたという。
生理の貧困問題や生理用品への平等なアクセスの話から生まれた製品なだけに、Egalが月経経験者たちを不条理なハードルから解放することは開発側にとっても重要だという。フィニーCEOは先に導入している学校での反応について、「学生や関係者には、(生理用品が)トイレの各個室内で提供されていることが喜ばれています。 プライバシーと尊厳が保たれますから。また、(生理の貧困を理由とした)職場や学校での欠席も減ります」と明かした。
日本にも発送している!
日本への発送については、Egalの公式サイトから問い合わせをすれば(英語のみ)対応可とのこと。詳しくは以下のリンクからチェックしてみて。
https://padsonaroll.com/customer/account/create
(フロントロウ編集部)