イギリスのマクドナルドで働く女性が相談
子を持つ親たちのイギリスのコミュニティサイトMumsnetに、1人の母親が「マクドナルドで働いていることで私はバカにされるべき?」という相談を投稿。200を超える激励が集まっている。
彼女は、大学で専攻したことに関する仕事で正社員として働いていたが、産休中に解雇されたという。しかし日々の生活にはお金がかかるため、早急に新しい仕事を見つける必要があり、学位に関連する仕事は見つからなかったため、マクドナルドで働き始めたそう。
彼女の勤務先は家から歩いて10分で、育児との兼ね合いも良く、もちろん収入によって光熱費や食費を支払うことが出来るため、彼女はそこでの仕事を楽しんでいるという。また、彼女は次の学期から大学院に進む予定だそうで、その点からも融通の利く仕事はありがたいという。
しかし先日、彼女は久しぶりに会った友人に、マクドナルドで働いていることをバカにされたそう。状況を説明してもなお、「でも絶対、マクドナルドなんかより良いものがあるのでは?」と言われたという。
女性はMumsnetに、「マクドナルドで働いているのは、そんなに恥じなければいけないこと??間違いなく、仕事は仕事ですよね?それに友人はマクドナルドで食事をすることもあると言っていたということは、友人の食事は誰かが準備して、提供しなければならないことに間違いなく気がついているということですよね?」と書き込んだ。
女性に激励の言葉が集まる
女性の投稿にはこれまでに200を超えるコメントが寄せられており、ほとんどが彼女の友人を批判し、女性を励ますものだった。
「仕事や、大学に行っているか、行っていないかで、誰も見下されるべきじゃない」
「父はよく、職種に関係なく“働くことは名誉なこと”だと言ってた。あなたはよくやってる」
「仕事に関するクソほど多くの嘲笑が世の中にはある。本当はあるべきではないのに」
「あなたの仕事に問題はまったくない。私の友人の娘は大学生の頃にマクドナルドでバイトを始めて、それが大好きだったからシフトマネージャーになって、最初の家を買おうとしてる。仕事は仕事!生活費は支払わなければいけないし」
「去年の夏に教師を辞めて、マクドナルドで働き始めた。あなたと同じで、夫と子どもとの生活に勤務時間は合うし、いつでも休みは取れる。(働き方の)柔軟性は素晴らしい。仕事は仕事。自分にとって上手くいっているかどうかだけが重要。私は教師だった時よりも、今のほうが幸せ」
多くの人がコメントしたように、どんな仕事でも見下されるいわれはないし、もし誰かが特定の職業をバカにしていたとしても、その仕事をしている人達がいなくなれば困ることになる。
また、今回、投稿主の女性も、コメントに書き込んだ他の女性も、家族のためにフレキシブルな仕事を選んだと明かしている。それは選択の自由で、彼女たちが幸せならまったく問題はないが、多くの場合に時間がフレキシブルな仕事は正社員よりも賃金が低かったり、福利厚生が良くなかったりするうえ、女性によって支えられている傾向があることは社会問題の1つ。
日本では、厚生労働省によると2011年にパートとして就業している人のうち、女性は70.2%で男性は29.8%。また、そのうち正社員として働いた経験がある割合は女性では79.3%、男性では66.0%となっている。2020年における非正規雇用労働者の割合は、女性が54.4%,男性が22.2%。
今回の女性の経験談は、仕事における尊厳や就業形態などに潜む様々な差別構造を考えさせるものとなった。
(フロントロウ編集部)