海外のユニクロで始まったサステナブルな取り組み「RE.UNIQLO STUDIO」を知っている? 服のリペアやリメイクができると聞いて、気になったフロントロウ編集部のエディターが取材。実際にユニクロデニムのリメイクもオーダーしてみました。(フロントロウ編集部)

「RE.UNIQLO STUDIO」って?

 サステナブルへの意識が高い欧米を中心に需要が高まっているのが、購入した服を長く着続けるために修繕・補修する「リペアサービス」。着られなくなったからといって手放すのではなく、お直しを加えて大切に着続けるのが主流になりつつある。

画像: 「RE.UNIQLO STUDIO」って?

 このリペアの取り組みを世界各国で推進しているのが、日本発のファッションブランドであるユニクロ(UNIQLO)。ユニクロの「RE.UNIQLO STUDIO(リ・ユニクロ スタジオ)」は、ユニクロで購入した愛着のある服を大切に着続けるためのリペアサービスと、さらにその先を行くリメイクまで提供するスペース。

 小さな穴が空いただけで着られなくなった服やボタンがとれてそのまま着なくなった服、クローゼットの中にしまったままの服を持ち込むことで、リペアやリメイク以外にも、リユース、リサイクルなど、捨てる以外のさまざまな活用方法を提案してくれる。

「RE.UNIQLO STUDIO」でできること

REPAIR 愛着のある服をいつまでも大切に着られるように、傷んだ箇所を丁寧に修理。
REMAKE 手持ちのユニクロアイテムを自分好みにカスタマイズ。
REUSE もう着なくなった服を回収して、服を本当に必要とする地域の人々へ寄贈。
RECYCLE 着られなくなった服を回収し、新しい服の原料や資材として活用。

海外で注目を集めて日本に上陸

 「RE.UNIQLO STUDIO」のサービスは、海外のユニクロ店舗で行なわれていたワークショップが元になっている。

画像: 公式サイトよりDL

公式サイトよりDL

 そのはじまりは2021年8月、以前から服のアップサイクルを行なうワークショップを開催していたドイツの店舗に、リペアサービスやカスタマイズサービスも加わったリペアスタジオが誕生したこと。次いでアメリカやシンガポール、マレーシア、台湾など世界各国にリペアスタジオがオープンした。

画像: リリースよりDL

リリースよりDL

 そして、リペアサービスに加え、新たなアイテムへとリメイクするサービスも提供する「RE.UNIQLO STUDIO」が、昨年9月にロンドンのリージェントストリート店に誕生。その翌月ついに日本の世田谷千歳台店にトライアルオープンを果たした。
※トライアル期間が終了した現在も継続展開中

世田谷千歳台店に行ってみた

 実際に「RE.UNIQLO STUDIO」ではどんなことができるのか、フロントロウ編集部のエディターが取材。今回お邪魔したのは、日本で初めて「RE.UNIQLO STUDIO」がオープンした「ユニクロ 世田谷千歳台店」。

画像1: 世田谷千歳台店に行ってみた

 店舗に入ると、レジのすぐそばに「RE.UNIQLO STUDIO」を発見。

 広々としたスペースの中に、オーダーができるカウンター、スタッフが作業をするスペース、リペアやリメイクを施したサンプルのディスプレイ、そしてユニクロのサステナブルな取り組みを紹介するコーナーが設置されている。

画像2: 世田谷千歳台店に行ってみた
画像3: 世田谷千歳台店に行ってみた
画像4: 世田谷千歳台店に行ってみた

世田谷千歳台店の「RE.UNIQLO STUDIO」でできるメニューは?

 ユニクロのリペアやリメイクのメニューは、各国や各地域によって異なり、なかでも世田谷千歳台店の「RE.UNIQLO STUDIO」は選択肢がかなり豊富。

画像1: 世田谷千歳台店の「RE.UNIQLO STUDIO」でできるメニューは?

 リペアでは、ユニクロで購入したTシャツやジーンズ、ニット、シャツ、ファスナー商品、ダウンなどの穴や、ほつれ、裂け、破れ、股ずれの修理が可能。リペアの価格は1か所500円からとなっている。

 そしてリメイクでは、手持ちのユニクロ製品を新しいアイテムに作り替えたり、自分好みにカスタマイズしたりできる。メニューの詳細はというと、幾何学模様の刺繍を施す日本の伝統的な刺繍“刺し子”をパッチや生地に入れる「SASHIKO」や、テンプレートから選ぶだけでなくオリジナルもつくれる「刺繍」がある。さらに4月から、「SASHIKO」のメニューに新たに「並縫い」が仲間入り。

画像2: 世田谷千歳台店の「RE.UNIQLO STUDIO」でできるメニューは?

 少しだけムードを替えられるワンポイントのリメイクから、まったく異なるデザインに変身させる大胆なリメイクまで自由自在で、もう着なくなった服でも再び100%の気持ちで楽しむことができる。

オーダーしてみたら想像以上に楽しかった

 世田谷千歳台店の「RE.UNIQLO STUDIO」で、実際にリメイクをオーダーしてみました。今回持ち込んだのは、ユニクロの人気コレクション「Uniqlo U(ユニクロ ユー)」のメンズサイズのデニム。お気に入りで何度も履いていたものの、いつのまにか出番が少なくなっていたこともあり、心機一転リメイクしてみることに。

画像1: オーダーしてみたら想像以上に楽しかった

 リメイクのデザインで目指したのは、レトロながらひとクセあるパッチワークデザイン。ここ最近海外のセレブやファッショニスタたちがパッチワーク風のデニムをこぞって着用しているのを見ていたため、こんなデザインがいいな…となんとなくのイメージは持ちつつ店舗で相談してみることに。

画像2: オーダーしてみたら想像以上に楽しかった

 オーダーでは、スタッフさんにイメージを細かく相談し、色味の異なるデニムをミックスするパッチと、新たに「SASHIKO」のメニューに加わった「並縫い」を組み合わせてみることが決定。

 そこからパッチや並縫いを施す位置や範囲を調整したり、使用する糸のカラーを細かく決めたりと気分はなんだかデザイナー。親身に相談に乗ってくれるスタッフさんのおかげもあり、この時間が想像以上に楽しい! 細かい調整を繰り返してオーダーが完了し、この日はわくわくした気持ちで帰路についた。

画像: リメイクで使用するのは、丈詰めなどの際に出たハギレ

リメイクで使用するのは、丈詰めなどの際に出たハギレ

画像3: オーダーしてみたら想像以上に楽しかった

世界に1着だけのデニムが完成!できあがりはいかに…

 今回オーダーしたリメイク内容は、2週間ほどで完成するとのことで、2週間後再び店舗へ。受け取り、実際に仕上がりを見たところ、理想通りの仕上がりに大興奮!

画像: 世界に1着だけのデニムが完成!できあがりはいかに…

 イメージしていたパッチワーク風デニムに仕上がっていて、ベーシックなデニムがひとクセある個性派デザインに。オリジナリティがあって人とも被らない好みのデザインで、これからヘビロテするアイテムになってくれそう。

 それだけでなく、自分でデザインを考えたという思い出もプラスされて、よりお気に入りの1本に。これまで履きなれたデニムが、ひときわ思い入れの強いデニムになってくれた。

画像: 左:リメイク前 右:リメイク後

左:リメイク前 右:リメイク後

【まとめ】ファッションを楽しみながら環境への負荷を減らす選択肢を教えてくれた

 ファッション業界が地球環境に及ぼす影響の大きさは、近年とくに問題視されていて、誰もが一度は聞いたことがあるはず。消費者としてこの現実から目をそらすわけにはいかないけれど、同時にファッションを楽しむ気持ちも忘れたくはない。

 ユニクロの「RE.UNIQLOSTUDIO」は、そんな課題と向き合い、ファッションを楽しみながら環境への負荷を減らす選択肢を教えてくれる場所だった。一度はときめいてクローゼットに仲間入りさせた服。着られなくなった、着なくなったからといってすぐに手放すのではなく、リペアやリメイクを加えながらライフサイクルを伸ばすことの大切さを学ぶことができた。

今回取材した店舗
「ユニクロ 世田谷千歳台店」
住所:東京都世田谷区千歳台3-20-1 カリーノ千歳台1F
営業時間:11:00~20:00(土日祝は10:00~20:00)

画像: ユニクロのある取り組みが海外で注目!リペア&リメイクを提供する「RE.UNIQLO STUDIO」に行ってみた【動画アリ】

群馬県前橋市にも「RE.UNIQLO STUDIO」がオープン!

2023年4月21日に群馬県前橋市にオープンした「ユニクロ 前橋南インター店」にも、「RE.UNIQLO STUDIO」が設置!

「ユニクロ 前橋南インター店」は「RE.UNIQLO STUDIO」を設置している以外にも、ユニクロが環境のためにできることに数多くチャレンジ。店舗における消費電力を抑えるために採光窓を設け、太陽光パネルを設置するほか、着なくなった服を断熱材として活用している。

カフェエリアや緑のあるエリアなどもあり、「ずっといたい」「また来たい」と思える快適で楽しい空間なので、近くに行く際はぜひチェックしてみて。

ユニクロ 前橋南インター店
群馬県前橋市亀里町2008番
2023年4月21日(金)オープン
前橋南インター店ティザー映像:https://www.uniqlo.com/jp/ja/special-feature/store/maebashi

(フロントロウ編集部)

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