多くの俳優が主演候補に挙がっていたティム・バートン監督作『シザーハンズ』
ジョニー・デップ主演で1990年に公開された映画『シザーハンズ』は、両手がハサミという人造人間を主人公にした、ティム・バートン監督の代表作。同作は商業的にも大成功を収めており、Box Office Mojoによれば全世界で8,600万ドル(約117億円)の興行成績をあげている。
最終的にはジョニー・デップがエドワード・シザーハンズを、当時ジョニーと交際していたウィノナ・ライダーが相手役のキムを演じて、それぞれにとっても代表作の1つとなった同作だが、英Dazedによればすぐにジョニーが主役に決まったわけではなく、マイケル・ジャクソンやジム・キャリー、トム・ハンクスらも同役に興味を示していたほか、ロバート・ダウニー・Jr.も主役候補の1人と考えられていたそう。そして、1986年に公開された『トップガン』で世界的なスターとなっていたトム・クルーズもまた、主役候補として名前が挙がっていたという。
トム・クルーズが『シザーハンズ』出演を逃した理由
しかしながら、トムは途中で主役候補から外れてしまうことに。その理由は、いつだって徹底的に役作りを行なうことで知られるトムが、エドワード・シザーハンズというキャラクター像について、とことん掘り下げようとしたから。
「(トムは)エドワードがどのようにバスルームを使うかを知りたがりました」と、『シザーハンズ』で脚本を担当したキャロライン・トンプソンは英Dazedに振り返っている。「彼は、このキャラクターについて質問してはいけないような質問をしてきたのです! この映画をデリケートなものにしている要素として、『彼はどのようにバスルームに行くのか?』『何も食べずにどうして何年も生きられたのか?』のような質問に答えられないということがありました」。
「トム・クルーズは、こうした質問への回答がなければ、映画に参加する気にはなれなかったのです」と、キャロラインはトムの出演が見送られた理由について明らかにした。
演じる上で、自分のキャラクターのことは細かいことまですべて把握しておきたいという理由から、詳細な設定については回答が得られなかったエドワード・シザーハンズ役については、交渉がまとまらなかったというトム。あらゆる役にストイックに向き合う彼らしい理由だが、ファンとしては、トムが演じるエドワード・シザーハンズも見てみたかったもの。(フロントロウ編集部)